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フォーティネット、最新プロセッサ「FortiASIC CP8」を搭載したUTM新モデル

 フォーティネットジャパン株式会社(フォーティネット)は18日、最新の専用コンテンツプロセッサ「FortiASIC CP8」を搭載した統合脅威管理(UTM)アプライアンス製品の新モデル「FortiGate-3600C」、「FortiGate-3240C」、「FortiGate-800C」、および「FortiGate-5001Cブレード」を、本日より販売すると発表した。

 今回の新モデル発表にあたり、フォーティネットジャパン プロダクトマーケティング部 部長の伊藤憲治氏は、「ネットワークセキュリティの市場は、今後も変わらずネットワーク高速化への対応が求められていく。また、データセンターにおける実際の稼働環境では、より低消費電力へのニーズが高まってきている。そして、標的型攻撃など、巧妙化する脅威に対応できる機能性もさらに重要になる」と、市場ニーズについて説明。「こうした高度化する市場ニーズに対応するべく、今回、最先端のASIC技術によって開発した最新専用プロセッサ『FortiASIC CP8』を搭載した4モデルを一挙に投入する。これにより、ハイエンドからミッドレンジまで、UTMアプライアンスのラインアップを強化・拡充する」と、その狙いを述べた。

フォーティネットジャパン プロダクトマーケティング部 部長の伊藤憲治氏
「FortiGate」の新ラインアップ

 「FortiASIC」は、同社が独自開発した専用プロセッサで、コンテンツセキュリティ機能に特化することで、高速なセキュリティを実現。また、汎用CPUに比べ低消費電力で高速処理が可能となり、特に、データセンターなど“高速処理”と“消費電力の削減”を両立させる性能が求められる環境に、最適なソリューションを提供する。「最新の『FortiASIC CP8』と、『Intel Xeon E5』の性能比較を行ったところ、消費電力は『Intel Xeon E5』の95Wに対して、『FortiASIC CP8』は3.5Wと大幅な低消費電力を達成した。一方、IPSスループットは、『Intel Xeon E5』の3.5Gbpsに対して、『FortiASIC CP8』は7Gbpsと、2倍の性能を実現した」(伊藤氏)としている。

「FortiASIC」の発展

 また、新モデルはすべて最新OS「FortiOS 5.0」に対応。「FortiOS 5.0」では、150以上の新機能の追加と機能強化が行われており、増大する脅威に対する防御機能を強化するとともに、急増する新しい種類のモバイルデバイスやアプリケーションを管理し、ネットワークを保護する。新モデルは、「FortiASIC CP8」プロセッサの高速性能によって、この「FortiOS 5.0」の機能をより快適に活用することが可能となる。

 各モデルの特徴としては、「FortiGate-3600C」は、インターネットサービスプロバイダ、データセンター、および大企業向けのハイエンドモデル。3Uのきょう体に、「FortiASIC CP8」プロセッサを2個搭載し、アプリケーション層のセキュリティを強化する。ウイルス対策機能は、フロー型で18Gbps、プロキシ型で5.8Gbps、SSL-VPNスループットは5.3GbpsとFortiGateアプライアンス最速の性能を実現。さらに、12の10GbEインターフェイスと18のGbEインターフェイスを装備している。

 「FortiGate-3240C」は、2Uのきょう体で40Gbpsのファイアウォール性能と高いセキュリティ機能を搭載。ファイアウォールのレイテンシは4μsで、最大500の仮想UTM(VDOM)機能を実現でき、セキュリティサービスプロバイダの厳しい要求にも応えることができる。

「FortiGate-3600C」
「FortiGate-3240C」
「FortiGate-800C」

 「FortiGate-800C」は、コンパクトな1Uのきょう体に2つの10GbEインターフェイス、20のGbEインターフェイスおよび2ペアのバイパスポートを搭載したミッドレンジモデル。20Gbpsファイアウォールや、6Gbpsの不正侵入検知/防御など、中堅企業および大企業の支店などに必要とされるネットワークセキュリティを提供する。

 「FortiGate-5001C」は、40Gbsのファイアウォール性能と高いセキュリティ機能を備えた、ATCAシャーシに追加可能なセキュリティブレード。「FortiASIC CP8」を採用することで、より高速な不正侵入検知/防御、ウイルス対策などのコンテンツセキュリティを実現する。

(唐沢 正和)