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日本HP、HP-UX上のDBを3倍高速化するリファレンスモデル「HP SuperDB」

「Superdome 2」筐体を525円で提供するキャンペーンも

手島主税氏

 日本HPは4日、「HP-UX 11i v3」の最新アップデートを発表。併せて、HP-UX状のデータベース(DB)を3倍高速化するというリファレンスモデル「HP SuperDB」も発表。これらの販売促進を図るため、期間限定で「Superdome 2に525円でアップグレードキャンペーン」も実施するとした。

 日本HPでは2012年11月より、顧客の投資を保護しつつ新機能を追加できる「持続的成長システム」の実現を支援するミッションクリティカルシステム戦略「Project Odyssey」を打ち出している。今回の発表はこの戦略を推し進めるもので、「HP-UX仮想化機能の強化」と「HP SuperDBの発表」が骨子となる。

仮想化機能を強化したHP-UX新版

ダイナミックメモリー機能を実装

 HP-UXの最新アップデートでは、サーバー仮想化機能「vPars v6」において、仮想環境上で動的なメモリリソースの変更を可能にする「ダイナミックメモリー」機能を実装した。例えば、ハイパーバイザー上でアプリAとアプリBが動作しているとき、それぞれに割り当てるメモリをオンラインで変更できる機能だ。「スモールスタートが可能なため、メモリを無駄なく利用できる」(エンタープライズ・インフラストラクチャー事業統括本部 ビジネスクリティカルシステム事業本部長の手島主税氏)としている。

 また、HP-UX 11i v3は、従来のOS領域と各機能が一体化されていたモデルから、各機能を完全モジュール化している点を強調。「従来は新機能を導入するたびにOSバージョンアップが必須だったが、HP-UX 11iv3ではモジュール化された各機能をアップデートすることで、OSをバージョンアップすることなく、新機能の継続的な導入が可能だ」(手島氏)として、「持続的成長システム」のメリットの一端を示した。

高速DBリファレンスモデル

 HP SuperDBは、このHP-UX上のDBを高速化するリファレンスモデル。具体的には、ミッションクリティカルシステム「HP Superdome 2」と、スケールアウト型ストレージプラットフォーム「HP 3PAR StoreServ」を組み合わせ、DBのI/O性能を向上。同社従来機種(2008年モデル)との同コア数比較で約3倍に引き上げたとする。

 エンタープライズ・インフラストラクチャー事業統括 ビジネスクリティカルシステム製品本部 製品企画部の日野創氏は「性能向上により従来モデル4筐体を1筐体に集約できるため、DBライセンスも1/3に削減可能。消費電力も約80%削減できる」と説明した。

 また、HP SuperDBは標準的なアーキテクチャで構成されるため、導入後も既存の運用環境をそのまま利用できると訴求。既存システムからの移行もワンストップで支援する無償アセスメントも提供し、「これまでどうしても時間のかかっていたDBチューニングなどの工数を大幅に削減できる」(日野氏)とした。

 HP SuperDBの価格は、最小構成で6400万円から。4月4日より出荷を始める。

HP SuperDBの特長
日本HPのエンジニアが性能をチューニング
性能向上によりハードウェアを集約、DBライセンスも削減可能
消費電力も約80%カット

Superdome 2に525円でアップグレードキャンペーン

破格の525円で提供

 このHP SuperDBの導入促進に向けて、「HP Superdome 2」に525円でアップグレードできるキャンペーンを実施する。具体的には、「現在、rp7400/7410/7420/7440/8400/8420/8440、rx7620/7640/8620/8640、Superdomeを利用中」(条件1)で、「Superdome 2セルブレード×3枚以上購入した場合」(条件2)に、通常924万円の「Superdome 2 エンクロージャー(8ソケットモデル)」、あるいは1824万円の「同(16ソケットモデル)」を525円で提供するというもの。この破格の値段の意図を、同社では「Project Odysseyを推し進めるため」としたほか、具体的な背景として「お客さまの現場レベルではHP-UXを継続的に利用したいというニーズがあるが、経営層に説得材料として何かインパクトが欲しいと相談を受けることがあったため」と説明している。キャンペーン期間は4月4日~9月末まで。

 日本HPでは今後もHP-UX 11i v3の機能アップデートにより、HP Integrityプラットフォームの継続的な強化を目指すとともに、「Project Odyssey」の下、「持続的成長システム」の実現に向けた施策を積極的に展開する考え。

(川島 弘之)