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アクセンチュア、アバナード、マイクロソフト、共同でWindows 8企業導入を促進

Windows 8活用の企業向けモビリティサービスを提供

左からアクセンチュアの清水新氏、アバナードの半田博樹氏、マイクロソフトの藤本寛氏
Windows 8はビジネスに最適なタブレット

 アクセンチュア株式会社、アバナード株式会社、日本マイクロソフト(以下、マイクロソフト)の3社は11日、これまでの協業体制を強化し、新たにWindows 8を活用した企業向けモビリティサービスを提供すると発表した。

 3社は2013年1月以降、Windows 8搭載のタブレット活用に関する顧客向けセミナー開催などの共同プロモーションを展開し、グローバルレベルの協業関係を生かしながら、国内の法人顧客に対するサービスの共同提案および新規市場開拓を行う。さらにWindows 8に関する最新技術情報交換、企業のニーズ把握や課題解決について連携していく。

 Windows 8では、新たにタッチ操作に対応したユーザーインターフェイスを採用しており、ビジネスシーンごとに情報の閲覧とコンテンツ作成の両方をシームレスに行える。また、企業におけるモビリティ活用の課題となっているセキュリティ対策や端末管理、タブレット端末と既存システムのシームレスな連携も可能となっている。

 「これまでのタブレット導入の実態は、セキュリティ不足、新たな投資、既存資産との分断といった課題があり、Webの閲覧、メールのチェック、電子カタログといった用途にとどまっている。しかし、企業におけるタブレット導入の本質は、業績向上への貢献、業務改革(効率化)への貢献、企業ガバナンスへの貢献を果たすものでなければならない。タブレットのモビリティと社内の既存Windows資産を両方生かせるWindows 8は、ビジネスで最適なタブレットである」と、日本マイクロソフト 業務執行役員 クラウド&ソリューションビジネス統括本部長の藤本寛氏。

 このWindows 8を軸に、Microsoft製品に精通したアバナードの技術力やアプリケーション開発のノウハウ、アクセンチュアが持つ経営管理モデルを構築するための戦略的知見や、モビリティ領域における経験を組み合わせることで、これまで以上に高度で未来志向なモビリティの活用を支援するという。

協業の意義や役割

 具体的に提供する企業向けモビリティサービスでは、(1)未来を洞察できるアプリケーションの構築、(2)既存の業務プロセスの革新、(3)高度な経営管理モデルの構築を支援する。

 (1)は、アバナードが担当。過去の実績や現在の動向だけでなく、将来の予測分析が可能な未来志向のアプリケーションを構築し、意志決定をタイムリーに実現するための手段として、企業におけるWindows 8タブレットの活用を支援する。

 同社ではこれまでに多様な業界・業種に対し、豊富なモバイルソリューションを提供している。その一例として、今回の協業強化に伴い新たに開発した、ルート営業を支援する「OLTIVA アタッシュケース」を紹介。

 「営業担当者が一日の行動予定や営業実績、タスクを瞬時に把握できる業務ポータルで、基幹システムと連携したPush型によるタイムリーな情報連携や、ベストプラクティスに基づく標準化された顧客訪問業務を可能とするタスク一覧、通勤や移動中などいつでもどこでも製品の情報を確認できるオフラインカタログなどの機能を備えている」(アバナード APAC統括モビリティ・リード・シニア・ディレクターの半田博樹氏)と説明した。

多様な業界・業種に対し、豊富なモバイルソリューションを提供
OLTIVA アタッシュケースのデモ
行動予定、営業実績、タスクを瞬時に把握できる業務ポータル
業界ニュースや顧客ブックマーク一覧など表示
写真を撮ってそのまま訪問レポートを作成

 (2)(3)はアクセンチュアが担当。音声や映像などの非構造データを含め、より迅速かつ正確な意志決定に有効な情報をWindows 8タブレットのタッチ操作で簡単に記録し、関係者間でリアルタイムに共有する業務プロセス構築を支援。さらに社員のタブレット端末から寄せられる情報から、顧客別、担当者別、商品別、キャンペーン別などサービス単位ごとの効率性や生産性をリアルタイムに分析し、いま市場で起こっている最新かつ最細粒度のデータを経営に資する情報として活用する、高度な経営管理モデルの構築を支援するという。

 3社の協業関係は、2000年4月にアクセンチュアとマイクロソフトの戦略的合弁会社としてアバナードが設立されたときから始まり、これまでに世界中で1万件以上のプロジェクトを成功へ導いているという。Windows 8については3社協同出資によって、Windows 8向けアプリケーション開発に特化した基盤である「Windows 8 Enterprise Studio」を設立し、2012年7月よりソリューション・プロトタイプ開発に着手している。今回の発表は、この取り組みをさらに強化したものとなる。

(川島 弘之)