「企業データはクラウドに預ける方が安全」、Googleファイゲンバウム氏
説明会はテレビ会議システムを通じて行われた |
グーグル株式会社は6日、クラウドのセキュリティに関する取り組みについての説明会を開催した。
米Googleエンタープライズ部門セキュリティ担当統括責任者のエラン・ファイゲンバウム氏は、「かつてはベッドの下にお金を隠しておくのが安心だと考えていた人々も、銀行にお金を預けるようになった」として、クラウドコンピューティングの登場は、銀行が登場した時のような転換期にあたると語った。
ファイゲンバウム氏は、66%の人がUSBメモリを紛失した経験があり、10台中1台のノートPCは購入後1年以内に盗難にあっている、企業のデータのうち60%は保護されていないデバイスに保存されているといった調査結果を紹介し、こうしたデータはクラウド上に預ける方が安全だと主張。また、アプリケーションについても、どの企業でも従業員に確実にセキュリティパッチを適用させることは課題となっているが、クラウドサービスであれば常に最新の状態で利用できるため、安全性が高いとした。
Googleの取り組みとしても、クラウドのセキュリティ分野には300人のエンジニアが携わっており、「インターネット時代に誕生したGoogleにとって、セキュリティはDNAのコアだ」として、Googleにとってセキュリティは設計段階から製品に組み込まなければいけないものであると説明。技術的な対策では、「我々はITシステムは不具合が起こるものだという前提で構築している。そのために、最も大きくセキュアなデータセンターを世界中で展開し、データのレプリケーションを各地のデータセンターで行っている」と語り、高い冗長性を備えている点をアピールした。
このほかにも、各種のセキュリティ向上を継続して行っており、例としてはGmailのパスワード強化策として取り入れた二段階認証の仕組みを紹介。セキュリティの取り組みについては第三者機関などによる審査により、ISO 27001やSSAE16などの認定を受けており、Google Appsはクラウドサービスとして初めてFISMA(連邦情報セキュリティマネジメント法)の認定を受けたことなどを紹介した。
ファイゲンバウム氏は、2010年のGmailの可用性は99.99%で、システムは冗長性を備えているためメンテナンスタイムはゼロだと説明。また、独立調査機関に依頼したオンプレミスのメールサーバーとの比較では、Microsoft Exchangeより4倍以上、オンプレミスのメールよりも平均で10倍信頼性が高いという結果になったとして、「クラウドコンピューティングは信頼性に欠けるという誤解はまだ見られるが、事実は異なる」とクラウドサービスの安全性を強調した。
60%の企業データが保護されていないデバイスに保存されている | オンプレミスのメールサーバーよりGmailの方が信頼性が高いという調査結果 |