CA、仮想化でアプリ開発を支援する「CA LISA」~日本市場へ初投入

開発の「工期短縮」「コスト削減」「品質向上」を実現


佐藤輝幸氏

 CA Technologiesは21日、仮想化によりアプリ開発を支援する「CA LISA」を日本市場に初投入すると発表した。10月17日より出荷する。

 CA LISAは、CAが2011年6月に買収したInteractive TKO(ITKO)の技術をベースとしたソリューション。複雑化するアプリ開発の「工期短縮」「コスト削減」「品質向上」を実現する。

 一般的にアプリ開発ライフサイクルにおいては、「連携先システムの利用時間の制約などにより、十分な連携テストが行えない」「連携先システムが未完成のため、結合テストに待ち時間が発生する」「クラウドなど従量課金ベースの外部サービスとの連携テストが十分に行えない」といった課題があり、テスト工程の生産性を阻害しているとLISAソリューション部 担当部長の佐藤輝幸氏は語る。

 CA LISAは、これら制約のある連携先サービスを仮想化(エミュレーション)する。それにより、アプリ開発ライフサイクルのスピードを加速する。

CA LISAが依存アプリのモデルをキャプチャする仮想化によりフルコントロール

 具体的には「仮想サービス生成機能」を備える。仮想サービスを生成することでいつでも好きなときに連携テストを行えるようになる。

 その方法は2種類あって、連携先システムとのリクエスト/レスポンス内容をCA LISAがキャプチャし記録することで、仮想サービスを自動的に生成する「ダイナミック(動的)な生成」と、連携先システムが未完成などライブトラフィックのキャプチャができない場合、WSDL(Web Service Definition Language)やサーバーのトラフィックログ、仕様書などから仮想サービスを生成する「スタティック(静的)な生成」が利用できる。

 生成した仮想サービスはGUIからの簡単な操作で仮想サービス実行環境(VSE:Virtual Service Environment)に配備・起動できる。VSEは用途や負荷に応じて容易にマルチサーバー構成にスケールアウトすることも可能。

 このほか、仮想サービスのメンテナンス機能を備える。これにより、一度生成した仮想サービスに対して容易にデータを追加投入でき、1つの仮想サービスをベースにさまざまなテストシナリオを試せる。また、仮想サービス生成後に、オリジナルのシステムやサービスの仕様変更が発生した場合でも、セルフヒーリングと呼ばれる機能で、仮想サービスとオリジナルとの差異を自動的に検出し修正できる。

 米国などではすでに提供されている製品だが、今回、初めて日本市場へ投入されることになる。ライセンス体系はオンプレミス型。価格は4680万円から。2013年3月31日までは2925万円からのキャンペーン価格で提供する。SaaS提供も今後検討していくとのこと。

 佐藤氏は「テストツール市場はすでにあるが、サービスを仮想化するというこの分野は、今まで日本には存在しなかった市場。アプリ開発における制約を排除し、これまでの常識を覆し、新しいマーケットの想像と開拓に努める」と野心を語る。市場セグメントは、新開発したアプリを早期市場投入したい企業、保有IT資産が複雑に連携している企業と想定し、原則として業界を問わずに提案していく考えだ。

 なお、事例として、30%の工期短縮、1000万~1億ドルのコスト削減、リリース前アプリの欠陥の80%の削減といった成果が上がっているという。

関連情報