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サービス仮想化でアプリ開発を支援する「CA LISA」新版、SAPなどに対応

LISA事業部長の佐藤輝幸氏

 CA Technologies(以下、CA)は22日、仮想化によりアプリ開発を支援する「CA LISA 7.1」(日本語版)を出荷開始した。最新版では、新たにSAPプロトコルやメインフレームなどに対応し、より簡単に基幹システムのテスト工程に適用可能となった。

 一般的にアプリ開発ライフサイクルにおいては、「連携先システムの利用時間の制約などにより、十分な連携テストが行えない」「連携先システムが未完成のため、結合テストに待ち時間が発生する」「クラウドなど従量課金ベースの外部サービスとの連携テストが十分に行えない」といった課題があり、テスト工程の生産性を阻害している。

 このような場合、アプリ開発者は担当モジュールごとに仕様書に基づきスタブを作成して、疎通テストに備えることになるが、仕様書の解釈の違いからスタブのふるまいが実際のそれと異なることも少なくないという。

 CA LISAは、これら制約のある連携先サービスを仮想化(エミュレーション)し、仮想的にサービスを生成。「仮想サービス生成」は、連携先システムとのリクエスト/レスポンス内容をCA LISAがキャプチャするか、もしくはWSDL(Web Service Definition Language)やサーバーのトラフィックログ、仕様書などから静的に生成できる。実際のHTTPなどをキャプチャして「ふるまい」を模擬して代替物を自動生成するため、「ふるまい」の違いが生じにくいのが特徴。

 「これにより“時間のゆとり”と“心のゆとり”をもたらす。そのゆとりが“高品質”と“ビジネス価値”を創出。開発部門と運用部門の衝突を軽減し、DevOpsの実現にも貢献する」(LISA事業部長の佐藤輝幸氏)とする。

テストを阻害する制約が原因で十分なテストが困難
サービス化層化による制約の解消

 新版では、SAPの外部連携に利用されるJCOおよびERPConnectの仮想化と、RFCとiDocを含むテストシナリオ実行に対応した。メインフレーム系でCICSサポートを拡張し、CTG経由のサービスエミュレートに対応。IMS DC(Data Connect)の仮想化にも対応し、メインフレーム系周辺システムのテスト工程において、仮想化能力を強化した。

 このほか、Javaエージェント機能を強化。従来のJDBC仮想化はアプリケーションとJDBCドライバの間にシミュレーションドライバを挿入する必要があったが、JVM上で稼動させるJavaエージェントにJDBC仮想化機能を搭載し、シミュレーションドライバの挿入を不要とした。

川島 弘之