IPAとISCI、制御システムのセキュリティ強化で相互協力


 IPAは10日、制御システムセキュリティ強化のための活動の一環として、国際的な認証制度やセキュリティ規格の普及などに関する連携を目的に、ISA Security Compliance Institute(以下、ISCI)と、正式な相互協力の実施に合意したと発表した。

 かつてはクローズドに構築された制御システムも、昨今は国内外において汎用製品や標準プロトコルの活用が進んでいることで、サイバー攻撃の脅威が高まりつつある。このためIPAでは、2008年から制御システムに対する情報セキュリティ面での脅威と対策について、調査と提言を行ってきた。

 その一環として今回、制御システムセキュリティの国際的な認証制度や規格の普及などに関する相互協力について、ISCIと合意した。これによりIPAは「日本における国際認証制度の推進」「認証用規格に対する日本意見の提案」「認証用規格の国内普及啓発活動の推進(規格の日本語版の整備など)」の事業を進めていく。

 また、経済産業省および技術研究組合制御システムセキュリティセンター(CSSC)とも協力し、「日本の社会インフラおよび産業用制御システムのセキュリティ対策の向上」「制御機器やシステムの認証取得による輸出の促進」に貢献するとしている。

 なおISCIは、制御システムにかかる規格の標準化活動および普及啓発活動などを実施する国際計測制御学会(ISA)のメンバーを中心とした評価認証を担う組織。制御システム関連製品のセキュリティ強化とその施策の普及を目的として2007年に設立された。設立当初より、評価認証のための仕様策定を行っており、2010年からは制御システムにおける組み込みデバイスに関する認証制度を開始している。

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