岐阜県、Androidを活用した救急搬送情報共有システムを構築


救急搬送情報共有システムの概念図

 株式会社NTTデータは、岐阜県の救急隊向け救急搬送情報共有システム(以下、同システム)を、Androidアプリおよびタブレット端末を利用して構築した。救急隊は同システムで携行したタブレット端末に救急搬送情報を入力することで、県内の救急隊間で共有。救急搬送先選定における受け入れの重複を防止し、搬送先医療機関の選定時間短縮や集中搬送の回避などが可能になるという。岐阜県は8月1日より同システムの運用を開始する。

 同システムでは、県内すべての救急隊へ配備したタブレット端末から救急搬送情報を登録することで、各救急隊が県内全域の搬送情報(傷病者の重症度、事故種別、搬送日時、救急隊情報、特記事項)を照会できる。

 先行して導入している救急医療情報システムも併用すれば、医療機関の診療科目別応需情報と、特殊診療リソース情報を取得し、同システムの搬送情報と統合し、より精度の高い搬送先情報も生成できる。

 操作性に関しては、一刻を争う現場での運用に耐えうるよう、現場の意見を参考にし、スクロールの発生しないページ切り替え方法を採用するなど、現場のオペレーションを優先する画面設計とした。また、岐阜県は山間部が多いことから移動中の電波状況を考慮し、通信の不安定な環境下においても、直近の照会結果閲覧など一定の操作を可能にした。

 今後、NTTデータは、救急隊向け情報支援ソリューションのレベルアップを図り、他都道府県への展開を目指す。

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(川島 弘之)
2012/8/1 15:54