日本オラクルのPLMアプリケーションを日立が採用、グローバルでの開発情報共有を実現


 日本オラクル株式会社は20日、株式会社日立製作所(以下、日立) 情報・通信システム社が、日本オラクルの製品ライフサイクル管理(PLM)アプリケーション「Oracle Agile Product Lifecycle Management」(以下、Oracle Agile PLM)によって、グローバルで開発情報を共有する仕組みを構築したと発表した。

 日立の情報・通信システム事業では、製品の設計から製造に至るすべての情報を拠点、工程間で共有することによって、コスト削減とリードタイム短縮に取り組んできたが、ビジネス環境の変化への迅速な対応を目指して、Agile Software(当時)が提供していたPLM製品(現:Oracle Agile PLM)を2001年より導入開始し、同社がOracleに買収された後も一貫して導入を進めてきたという。

 日立はOracle Agile PLMの活用開始当初より、開発業務改革と設計・生産連携を目指して、業務プロセスの見直しと改善を実施しており、Oracle Agile PLMによって構築されたシステムでは、部品表(BOM:Bill of Materials)を設計から生産に至る全工程の共通言語として位置付け、設計変更、部品手配、調達先変更、生産指示といったすべてのやりとりが一元化した。

 そしてOracle Agile PLMの導入後、それまで平均9カ月を要していた開発期間が平均6カ月に短縮されたほか、設計工数を約7.8%削減できたとのこと。

 こうした効果が上がったことを受けて、日立はグローバルでのシェアードサービス化を進め、現在、情報・通信システム事業のサーバー、通信機器、ストレージ、ATMなどの製品において、約4000ユーザーが活用しているという。

 なおシェアードサービス化により、国内の設計・開発拠点と、海外の設計・生産拠点の間で距離の壁を越えた設計・生産連携を実現。システムの共通化により、現地での生産に必要な図面を航空便で送ってから電話や電子メールで調整するといった、従来の作業が大幅に削減され、設計変更に要する期間を7日から1.5日に短縮する、設計変更の漏れがなくなるといった効果も得られたとしている。

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