Enterprise Watch
最新ニュース

日本オラクル、PLM製品によるコンプライアンス支援の取り組みを説明


米Oracleの製品戦略担当シニア・ディレクター、ドリス・ドーハ氏

コンプライアンスの対応プロセスを総合的に支援できるという
 日本オラクル株式会社は7月31日、企業の環境配慮とコンプライアンス対応に関するプレス説明会を開催。自社製品、特にPLM(製品ライフサイクル管理)製品が提供できるメリットについて、米Oracleの製品戦略担当シニア・ディレクター、ドリス・ドーハ氏が解説した。

 Oracleでは米Agile Softwareを買収し、自社のPLM製品として「Agile Product Lifecycle Management」を提供しているが、コンプライアンス対応を支援する「Agile Product Governance&Compliance」は、その中のコンポーネントの1つ。これが必要とされる理由として、ドーハ氏は、製造業を取り巻く環境の変化を説明する。ドーハ氏がまず指摘するのは、「製造責任が拡張されている」ということだ。現在では、誰が(どの製造業者が)、どこで、どう作った、ということではなく、その製品にロゴを載せている企業の責任が問われるため、アウトソーシングをしたとしても、結局はそれを作らせた企業の問題になるという。

 また、環境への影響を考慮した実際の法規制も、欧州のRoHS指令やWEEE指令がさまざまに派生し、各国で行われるようになった。さらに、EuP指令、化学物質に関するREACH指令、などが欧州で規定され、これらも各国に波及していくと見られているとのことで、ドーハ氏はこうした社会情勢から、「どの会社でも、もはやコンプライアンスの検討、準拠を避けて通れなくなっている」ということを強調する。もし、コンプライアンスに適合できなかった場合は、出荷・販売が停止されて市場から排除されてしまうし、製品ブランドイメージへの悪い影響も当然懸念されるところ。閉め出されることで、何百万ドルも損害を出したケースもあるとのことで、コンプライアンスへの対応を誤ると、企業経営にとって、重大なダメージを与えかねない。

 しかも、市場のニーズが多様化する中で、製品ライフサイクルはますます短くなってきており、製品設計といったライフサイクルの早い段階から、コンプライアンスへ適合させるための対応が求められるようになった。そして、そうした準拠・対応の状況を管理するためのプロセスや、非適合だった場合に問題を修正するプロセス、また、国ごとに異なる最新の規制情報を入手し、対応することも求められている。だからこそ、これらを自動化できる、Agile Product Governance&Complianceのような製品の価値があるというのだ。

 この製品を利用することで、コンプライアンスに配慮した製造を設計段階から行えるほか、リサイクル設計、包装設計にも対応可能。また、データ収集や修正、正しい部品・材質を使っているかを確認するアセスメント機能など、コンプライアンスの評価を行う各種機能も搭載する。加えて、コンプライアンス情報を部品メーカーなどの関係者に開示するための、レポート機能も備えた。ドーハ氏は一連の機能を説明した後、「問題があったとしても、追跡してその発生源を追求できる。これは一度限りのことではなく、サプライチェーンが変更されたり、規制が変わったりするたびに行う必要があり、だからこそ、自動化システムは大きな助けになるだろう」とその意義を強調している。



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/


( 石井 一志 )
2008/07/31 14:41

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.