2016年に仮想化サーバーの比率は20.9%に~IDC予測


 IDC Japan株式会社は10日、国内仮想化サーバー市場の最新予測を発表した。2011年第4四半期(10月~12月)の出荷実績と市場動向に基づいて予測したもの。なお、ここでいう仮想化サーバーとは、仮想化環境を構築するために出荷されたサーバーと定義しており、仮想化ソフトの出荷金額ではない。

 2011年の国内仮想化サーバー市場の出荷台数は8万6534台で、前年比3.6%減となった。国内での普及が加速し始めた2007年以降、初めてのマイナス成長。ただし、東日本大震災の影響を受け、後半は欧州におけるリスクの高まりと、これに端を発した急速な円高の進行、欧米および新興国における景気減速傾向、タイ洪水にに伴うサプライチェーンの寸断の影響を受けたもので、2012年にはプラス成長に復帰する見込みとなっている。

 プラス成長への要因としては、2007年前後にx86仮想化サーバーを導入した企業が更新時期を迎える点。サーバーベンダーにとっても、仮想化ソフトや運用管理機能を提供するソフトベンダーにとっても、競合他社から顧客ベースを奪取する好機ととらえられ、単なる仮想化によるサーバー統合といった提案にとどまらず、クラウド化への視点を加味した提案などが増える点、を挙げている。

 また、2016年の出荷台数は11万3468台と予測。2012年から2016年までの5年間はプラス成長を維持する見込み。また、国内サーバー市場における仮想化率は、2011年の13.9%から7ポイント伸張して20.9%になるとみている。

 2016年の出荷額は1179億9400万円になるとみる。2011年~2016年の年間平均成長率はマイナス3.8%。出荷台数が増加す一方で出荷額が減少するのは、1台あたりの価格が低下傾向にあるほか、仮想化市場においても高価なメインフレームやRISCサーバー&IA64サーバーから、安価なx86サーバーへの移行が進行するためという。

関連情報
(川島 弘之)
2012/5/10 15:46