IPA/SEC、事業継続性の手引き「高回復力システム基盤導入ガイド」無償公開


 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)技術本部 ソフトウェア・エンジニアリング・センター(以下SEC)は5月8日、一般企業などにおける「ITサービス継続」の実現や強化に向けた基本的な考え方と、必要な対策の選択・実施の方法についてまとめたガイドを無償公開した。

 IPA/SECでは、「事業継続計画(BCP)」や「ITサービス継続」に対する認知度は高まっているものの、具体的な対策には着手していない企業が少なくないのが現状であるとして、情報リスク管理やITガバナンス、ITサービス継続の分野における有識者で構成する「ITサービス継続ワーキンググループ」を2011年10月に新たに設置。

 ワーキンググループでは、ITサービス提供の停止に備えて、高い回復力を備えた「システム基盤」を導入するための「導入計画の策定」について、手順の簡略化や実践的な手法を検討。その成果として、ビジネス要求とITリスクの関係や技術的対策をわかりやすく解説した「高回復力システム基盤導入ガイド(概要編、計画編)」を作成、公開した。

 概要編では、「高回復力システム基盤」の必要性や導入方法の概要を紹介するとともに、システム基盤の要件定義を迅速に行うために4つのモデルシステムを定義。モデルシステムは、想定される脅威と業務の目標復旧時間でシステムを4つに分類したもので、システム基盤に対する回復力の要求が大まかにしか決まっていないような場合でも、このモデルシステムを参照し、たたき台とすることで、経営者と情報システム部門が、ビジネス面の要求やシステムの実現可能性などについて具体的な検討が行えるとしている。

 計画編では、モデルシステムを活用して高い回復力を備えたシステム基盤を導入するために必要な、要件定義や導入計画策定などの手順や内容について説明した。

 今後は6月末に「高回復力システム基盤導入ガイド(事例編)」の公開を予定。事例編では、高回復力システム基盤の具体的な導入事例、導入の際のポイントなどを解説するという。

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(工藤 ひろえ)
2012/5/8 13:59