富士通、山梨県とICTを活用したスイートコーン栽培の実証実験


センサーボックスとビニールトンネルの様子

 富士通株式会社は14日、山梨県の農業活性化をICTで支援すると発表した。同社が開発した農園情報センシングネットワークを用いたスイートコーン栽培における実証実験を3月14日より開始。将来的に、ほかの農産物への応用や圃場における防犯や鳥獣害対策に適用していく。

 山梨県では新規就農者や新規参入法人が年々増加し、比較的容易なスイートコーンの栽培に取り組む事例が増えている。しかし、生育初期はビニールトンネル開閉による温湿度管理が難しく、ベテラン農家の管理ノウハウなどが必要になっているという。

 今回、この課題の解決に向けた農園情報センシングネットワークの有効性を検証するため、富士通と山梨県とで協力し、西八代郡農業協同組合(JA西八代)、株式会社旬果市場と富士通の3者で「やまなし企業の農園づくり協定」を締結。スイートコーン栽培における実証実験を行う。

 実験では、JA西八代および旬果市場の圃場に、富士通が開発した農園情報センシングネットワークを導入し、ビニールトンネルの換気のタイミングと温湿度情報のデータを収集、距離が離れた事務所へ無線ネットワークを通じて定期的に送信する。収集したデータを分析することで、換気のタイミングと温湿度情報の相関などを見える化するという。これにより、ベテラン農家のノウハウを見える化し、新規就農者や新規参入法人の育成に役立てる狙いだ。

 測定に試用するセンサーボックスは、ソーラーパネルとバッテリを搭載するため電池交換が不要で、人手に頼らず高精度な調査を行える。また、データを送信するための無線ネットワークは特定小電力無線を用い、通信コストをかけずにデータを収集できるという。

実証実験のイメージ

 この結果を踏まえ、将来的にはほかの農産物への応用や圃場における防犯や鳥獣害対策に適用していく方針。

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