水耕栽培の計画生産を支援するクラウド型ERP「HYDROTELLIGENCE」

収穫量を予測、作業指示や工数も自動計算


活用風景
iPadによる圃場モニタリング

 AgriScience株式会社は、植物工場の計画生産を実現する栽培予報マップ付きのクラウド型ERP(Enterprise Resource Planning)システム「HYDROTELLIGENCE(ハイドロテリジェンス)」を2月より発売した。

 HYDROTELLIGENCEは、計画生産を実現する上で必要なさまざまな機能をクラウド型で提供する水耕栽培用の統合業務システム。桜の開花予測と同様に、地域や作物の特性から収穫ピークや収穫量を詳細に予測して圃場のレイアウト上に表示するため、定植前から精度の高い圃場運営の計画立案が可能になるという。

 定植後も圃場の環境データ計測や栽培作業実績を自動収集。先々の作物成長状況や収穫時期の変動、日々必要となる作業項目・工数・作業シフトを、圃場内の栽培エリアごとに自動計算する。

 さらに、これまで困難だった先々の収穫量の変動に対する的確な事前対処法が作業指示の形で現場に届くため、作物安定供給に向けた計画実行と栽培管理が無理なく実現できるという。

 クラウド型で多言語に対応。国や場所に依存せずに、海外圃場のシームレスな運営にも効果的。例えば、複数の海外の圃場では現地の人が働き、日本に住む日本人の圃場管理者が栽培指示をそれぞれの現場に出すような場合でも、距離や言語を意識せずに、相互コミュニケーションが図れるとしている。

 なお、2月より発売したのは、長野県小諸市の「こもろ布引いちご園」と共同開発した、太陽光を利用するいちご栽培用パッケージ。PCとインターネット環境のみで利用できる。圃場でのモニタリングや栽培担当者への直接指示および実績収集を行う場合には、Wi-Fi環境とiPhone、iPod touch、iPadの導入が必要。栽培環境に合わせたシステム仕様のカスタマイズに対応する。

 今後の予定では、年内に太陽光を利用したトマト栽培と人工光型の葉物野菜にも対応する。

Webブラウザによる1日の作業内容確認iPhone、iPad touchによる作業指示
関連情報
(川島 弘之)
2012/2/6 13:43