富士通、システム構築での要件定義手法を体系化~社内向けクラウドサービスとして提供へ


 富士通株式会社は8日、システム構築における要件定義の手法を「Tri-shaping」として体系化したと発表した。「Tri-shaping」の目的は、経営層、業務部門、システム部門といったステークホルダーの「要求」を要件定義へ的確に反映し、構築過程で手戻りが発生しないよう、要件定義の品質を向上させることで、2011年4月よりプロジェクトへの適用を開始している。

 「Tri-shaping」では、経営層、業務部門、システム部門といったステークホルダーの要求間の関連を視覚的にとらえつつ、それぞれの整合性を保った要求構造を作成可能。また、各要求の仕上がりを多角的な指標で評価し、結果を登録できるため、要求の品質をタイムリーに把握し、評価に問題がある場合はその場で課題を確認できるという。さらに、要求と複雑に関連するステークホルダーや前提制約条件、非機能要件など、情報間の相互の影響範囲も瞬時に特定できるとした。

 また富士通では、こうした手法を富士通グループのSEが簡単に導入できるようにするため、関連ツール群をクラウドサービスとして整備し、2012年1月より、富士通グループのプロジェクトで適用開始する。これによって、実際のシステム構築に対し、品質の高い要件定義が的確に反映できるようになるとのこと。

 富士通では今後3年間に、このサービスを活用した「Tri-Shaping」の適用プロジェクト数を200まで拡大する意向で、将来的には顧客への販売も予定するとしている。


要求構造の作成画面成熟度評価の登録画面
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(石井 一志)
2011/12/8 11:50