EMCジャパン、サイバー攻撃をリアルタイムに検知する「RSA NetWitness」


RSA事業本部 マーケティング部 プリンシパル・マーケティング・プログラムマネージャーの水村明博氏
RSA NetWitnessの概要

 EMCジャパン株式会社は6日、ネットワークセキュリティ・モニタリングツール「RSA NetWitness」を発売した。出荷開始は2012年1月5日より。

 RSA NetWitnessは、ネットワーク上を流れるパケットをくまなく収集する装置と、情報を解析するアプリから構成されるネットワークセキュリティ・モニタリングツール。ネットワークのすべてのパケット情報を“継続的に監視”し、インターネットからの脅威を“リアルタイムに検知”する。

 標的型メール攻撃を例に取ると、「メールに添付されたマルウェア(ゼロデイ攻撃を含む)を検知し、攻撃の予兆を知らせてくれる。万が一、侵入を許した後でも、マルウェアがサーバーの脆弱性をついて目的の情報を窃取する攻撃をネットワーク上のパケットから検知できる」(RSA事業本部 マーケティング部 プリンシパル・マーケティング・プログラムマネージャーの水村明博氏)という。

 パケット収集コンポーネントは「Decoder」「Concentrator」「Broker」の3種。Decoderがスイッチのミラーリングポートなどから流れるパケットをくまなく収集し、メタデータを付与(インデックス化)する。ConcentratorはメタデータのみをDecoderから収集し、パケット解析コンポーネントにメタデータを渡す。Brokerは、複数のConcentratorのデータを集約するもの。

 パケット解析コンポーネントは「Spectrum」「Informer」「Investigator」の3種。上記のConcentratorから渡されたメタデータを基に、Spectrumがリスクを判定し脅威を検知する。特長は、「マルウェアの実行ファイルを構文解析した結果」「マルウェアの疑いのあるファイルの流入経路情報(IPアドレスや国名など)」「RSAが収集・提供する脅威情報(RSA NetWitness Live)との比較」「仮想環境でのマルウェア実行結果」というシグネチャだけに依存しない4つの独自指標。これらから複合的にリスクを判定する。

パケット収集コンポーネントパケット解析コンポーネント

 Informerは、ダッシュボードやチャート機能を提供するもの。イベントやアラートをSNMP、syslog、SMTPなどで通知し、セキュリティ・インシデント監視・管理(SIEM)製品や既存ネットワーク管理製品とも連携可能。疑わしいパケットが見つかったら、Investigatorでより詳細なセッション分析を行い、脅威の侵入経路やマルウェアに感染したPCを特定することもできる。

 また、パケットの収集と解析を分けたアーキテクチャにより、企業規模やデータ規模に柔軟に対応し、テラバイト級のパケットデータも高速に分析できるのが特長だ。

4つの独自指標でゼロデイ攻撃も検知情報漏えいの検出を視覚的に行える

突如発生した不審なアクセスの調査

不審なアクセスの発信源や経路も視覚的に

 水村氏は「執拗な攻撃を行うAPT攻撃などは、従来の予防対策や境界防御では完全に防ぐのが難しいとされるが、RSA NetWitnessはネットワークを常時監視することで、脅威の予兆をできるだけ早期検知して、なるべく未然に攻撃を防げる」と語った。

 標準価格は、キャプチャ装置2台(DecoderとConcentrator)とマルウェア検知装置1台(Spectrum)、ネットワーク分析・可視化装置1台(Informer)の構成で4000万円(税別)。

 販売代理店を通じて官公庁、省庁、防衛関連企業、金融業、製造業、通信業などの企業へ提案し、今後1年で3億円の売上を目指す。

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