富士通エフサス、自社内にプライベートクラウド基盤を構築~北陸のデータセンターを利用したDRも


 株式会社富士通エフサスは21日、自社内にプライベートクラウド基盤を構築したと発表した。同年の本社移転を契機として4月に構築されたという。

 同社では、全国拠点に散在していた部門サーバーの中から、自社のノウハウに基づいた判断基準を用いて、259台を移行対象に選定。VMware vSphereを用いて国内2拠点に設置したクラウド基盤(ブレードサーバー50台)へ統合した。この効果としては、ITインフラの消費電力の約70%、設置スペースの約60%を削減している。またこの作業にあたっては、新規に開発した「構成テンプレート」を利用し、企画・設計から構築までを効率化して、高品質・短期間の導入を実現した。

 さらに、部門ごとに行われていたシステム運用管理業務を情報システム部門へ統合するため、これも新規に開発された「運用テンプレート」を用いてプロセスを標準化し、自動化ツールによる運用管理の効率化に取り組んだとのこと。具体的には、申請から審査、配備までの期間を、40営業日から最長5営業日へと削減された。

 また全社のシステムリソースを見える化できたことで、情報システム部門による全体最適化を実現しており、システムの購買統制が可能になった結果、プロダクトやライセンスなどの重複を排除。さまざまな効果をあわせて、約30%のITコスト削減が実現したとしている。なお運用管理業務の一元化により、運用担当者についても、160名から3名へと大幅に削減された。

 セキュリティについても、統合認証と、管理者を含めた証跡管理の導入による情報漏えい対策強化が行われている。

 加えて、川崎の本社と北陸のデータセンターに設置されたクラウド基盤の間で、ディザスタリカバリ(DR:災害対策)を実施。災害対策ツールの導入により、緊急時の重要業務の移行・復旧が自動化され、迅速・確実な業務復旧を行えるとしている。

 なお富士通エフサスでは、こうした一連のクラウド化によるシステム運用をグループ会社へ展開する予定で、大規模クラウド化におけるさらなるノウハウを蓄積し、自社の「プライベートクラウド安定稼働サービス」に適用していく予定だ。

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(石井 一志)
2011/11/21 17:00