インフォマティカ、マスタデータ管理製品を国内提供


インフォマティカ代表取締役社長の吉田浩生氏

 インフォマティカ・ジャパン株式会社(以下、インフォマティカ)は15日、マスタデータ管理(MDM)製品「Informatica MDM」を国内提供すると発表した。データ管理ソリューションの1つとしてMDM機能を提供する。

 Informatica MDMは、ビジネス上重要なデータの整合性を確保しひも付ける製品。社内外の異種システムにさまざまな形式で保存されている顧客、製品、パートナー、サプライヤなどに関するデータの重複・不正確さをなくし、各マスタデータを有機的に結合することで、業務の改善、新しい販売機会の獲得、戦略的課題の解決を可能にするという。

 昨今、連携されていないサイロ化されたデータが課題として浮き彫りになっている。折角、重要なデータが蓄積されても、それらの関連性が見えなければ何の洞察も得られない。インフォマティカ代表取締役社長の吉田浩生氏はこの原因を「単一の顧客ビューの欠如」「顧客の関連性を示すビューの欠如」「顧客とのやり取りに関するビューの欠如」と、3つの「欠如」で説明する。

 これを解決するためには、ETLでデータをクレンジングし、その上で情報を有機的に結合させる「Informatica MDM」が効果的だという。

サイロ化されたデータインフォマティカが考えるデータ活用ステップ

 特徴は、単一プラットフォームで「マルチドメインMDM」という独自のアプローチを採用する点。任意の重要データから管理し、少しずつマスタドメイン(顧客、製品、パートナー、サプライヤ、資産、場所など)を追加していける。また、Twitterなどのソーシャルメディアの情報もマスタデータにひも付けられるのがInformatica MDMのメリットだ。

 例えば、顧客を名寄せし単一の顧客ビューを作成。次に顧客の企業名や組織体系など関連情報を追加。さらに製品購入後の顧客と製品販売店などを関連付ける。ある顧客からたどって購入製品を確認できるほか、顧客の家族が購入した製品や、あるいはその製品を購入した別の顧客も確認できるなど、柔軟な運用が可能となる。最重要課題から小さく導入し、少しずつマスタドメインを追加できるため、短期間で運用し、管理、拡張が容易に行えるという。

同じ顧客がシステムごとにばらばらに登録されている信頼の高い情報を融合して1つのデータにクレンジングする

さらに関連情報(マスタドメイン)を追加すると、ある顧客が購入した製品、顧客の家族構成といった情報も単一のビューに表示される【左】、家族が購入した製品、その製品を購入した別の顧客といったように、顧客に関する360度のビューが提供される【右】

米Informatica MDMプロダクトマーケティング部門 シニア・ディレクターのラビ・シェンカー氏

 「顧客データ管理、製品データ管理、部門・子会社・製品・サービス・チャネルパートナーなどのチャネル管理、契約内容などのコンプライアンス管理――これらを順次相互にひも付けて、360度の顧客ビューを作成できるのが特徴だ」と、米Informatica MDMプロダクトマーケティング部門 シニア・ディレクターのラビ・シェンカー氏は語る。

 海外では、製薬、製造、金融分野で導入が進んでいるという。日本ではそのノウハウを生かし、MDMソリューションのベストプラクティスを提供していく。また、同社は単一プラットフォームに統合されたETL製品とMDM製品を保有しており、「一貫して提供することで、一貫して正確なビューを提供できるのが強み」(吉田社長)として日本市場へアピールする。具体的に、「ETLなどインフォマティカ製品の既存ユーザーにMDMへのアップセルを行っていく」としている。

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(川島 弘之)
2011/11/15 15:05