IMJ、「行動観察型」のアクセス解析サービス


 株式会社アイ・エム・ジェイ(以下、IMJ)は7日、Webサイト上のユーザー行動を明らかにする「行動観察型アクセス解析サービス」の提供を開始した。

 同サービスは、アクセスログを活用しWebサイト上のユーザー行動を徹底的に観察することで、ユーザー像や改善課題を明らかにするサービス。

 アクセス解析においてコンテンツ閲覧行動はあまりに複雑で「何がよく見られているか」が分かっても、「どのように検討を行っているか」などの詳しい行動解明は困難なのが現状という。

 そこでコンテンツ改善には“実際のユーザー行動を深く理解をすることが重要”という考えの下、日々蓄積されるアクセスログからユーザー行動を視覚的に再現し、徹底的に観察・分析することで課題を発見する行動観察手法を採り入れたアクセス解析手法を開発したとする。

 行動観察型アクセス解析では、アクセス解析ツールと連携し、アクセスログからユーザーの行動を画面上に再現することで、ユーザーがたどった軌跡に沿って行動プロセスを観察する。同社によればこれはちょうど、対象を直接観察できない海洋動物研究で、生物に計測器を取り付け、収集したデータから海中での生物の動きを再現し、その行動を明らかにする“バイオロギング”と呼ばれる手法と同じもの。

 観察にあたって使用するツールでは、再訪問時の行動とのひも付けや、閲覧高度の視覚化、進入関連情報の表示、観察メモの保存などの機能を実装。多数のユーザーに対する過去訪問時も含めた行動観察が可能なほか、および閲覧プロセスからユーザー像や行動心理を読み取ることが可能という。

 分析から分かることは、コンバージョンする人の検討プロセス、見込み度が高いものの離脱してしまった人の閲覧プロセス、「住居タイプ」「家族構成」「現在の利用状況」といったユーザータイプによる閲覧行動の違い、検討段階や申し込み時に閲覧されるコンテンツの見られ方の違い、オプションサービスの検討プロセス、問題行動の有無など。

 同じく観察法を用いるユーザーテストと比較すると、行動観察型アクセス解析では「実際のユーザーの」「自然な行動を」「多数のユーザーについて」「中長期の行動プロセスも含め」観察できる点が特徴。

 また、ユーザーテストでは被験者を募りにくい「法人向けサービス」「美容整形など人にあまり知られたくないサービス」「まだあまり知られていない新サービス」などにおいても、アクセスログから容易に対象者を抽出できるのも特徴の1つという。

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(川島 弘之)
2011/9/8 06:00