NTT、米Niciraの技術を用いた遠隔ライブマイグレーションに成功
日本電信電話株式会社(以下、NTT)は2日、クラウド環境で動作するサービスを停止させずに、異なる拠点のサーバーへサービス機能を移行させる遠隔ライブマイグレーション実験に成功したと発表した。
この遠隔ライブマイグレーション検証では、米Nicira Networksの仮想ネットワーク制御技術と、OpenvSwitch、KVMなどのオープンな技術を用いて、NTT情報流通プラットフォーム研究所がシステムを構築。NTT武蔵野研究開発センタ、およびNTT厚木研究開発センタのデータセンター間で遠隔ライブマイグレーションが行われた。
この検証における最大の特徴は、専用のハードウェア機器を用いることなく、ソフトウェアによるL2 over L3論理ネットワークを構築して行われた点。従来は、専用ネットワーク機器を準備し、ネットワーク設計とその設定を毎回行う必要があったため、即応性に欠けるなど、運用面の課題が指摘されていたが、この研究の成功により、クラウドサービス事業者が専用のソフトをサーバー機器へインストールするだけで、任意の拠点間でmのライブマイグレーションが実現可能になるという。
また、災害や過負荷発生時などに、迅速にDR(災害復旧)サイトへ運用を切り替えて、サービスを継続できるようになるとのこと。さらには、ライブマイグレーション機能を用いたサーバーリソース最適化、すなわち一部のサーバーへのリソース集約が可能になり、データセンターの省電力・省エネに寄与できるとしている。
NTT情報流通プラットフォーム研究所では、今回の遠隔ライブマイグレーションの実験成功を踏まえて商用化を目指すほか、DaaSと連携したオンデマンドなネットワークサービスや、キャリアのネットワークサービスと連携した高品質なクラウドサービスなど、新たなサービス開発にも取り組む考えだ。