国内バーチャルマシンソフト市場は今後も高成長、2015年には600億円規模へ~IDC Japan予測
国内仮想化ソフトウェア市場 売上額予測:2010年~2015年(出典:IDC Japan) |
IDC Japan株式会社は21日、2010年の国内仮想化ソフトウェア市場規模実績と、2015年までの市場規模予測を発表した。サーバー仮想化やデスクトップ仮想化を実現する国内バーチャルマシンソフトウェアと、プレゼンテーション仮想化やアプリケーション仮想化などを含むアプリケーション/ユーザーセッションバーチャライゼーションソフトウェアの、両市場を対象にしている。
それによると、2010年の国内バーチャルマシンソフトウェア市場規模は、前年比57.7%増の219億900万円で、2010年~2015年の年平均成長率(CAGR)は22.7%、2015年の市場規模は610億円と予測。
また2010年の国内アプリケーション/ユーザーセッションバーチャライゼーションソフトウェア市場規模は、前年比5.6%増の154億8100万円、2010年~2015年のCAGRは5.1%と予測されている。なお、これらの予測には東日本大震災の影響が加味されているとのこと。
2010年の国内バーチャルマシンソフトウェア市場が大きく成長したのは、それまで主体だった大手・中堅企業に加えて、新規に導入する企業が地方企業や中堅・中小企業にも拡大したことが要因の1つ。さらに、既存導入企業における仮想環境の拡大のため、ライセンスの買い増しが行われるなど、バーチャルマシンソフトウェアに対する投資が活発化したことも、大きな成長要因だという。また、2010年に入ってデスクトップ仮想化の案件も急増し、市場が本格化する様相を見せ始めているとのこと。
2011年は、東日本大震災による投資控えの影響は受けるものの、節電対応やディザスターリカバリーの需要が後押しし、26.3%の成長を見込むほか、中期的には、プライベートクラウドやデスクトップ仮想化の本格化により、高水準の成長が続くとIDC Japanでは見ている。
一方の国内アプリケーション/ユーザーセッションバーチャライゼーションソフトウェア市場では、市場の90%以上を占めるプレゼンテーション仮想化が、金融や公共、教育機関などを中心に根強い需要があるものの、バーチャルマシンソフトウェアを使用したデスクトップ仮想化を選択するユーザーが増えていることから、成長が鈍化しているという。しかしアプリケーション仮想化は、Windows XP環境からWindows 7環境へのアプリケーション移行のつなぎ役として需要が高く、60%以上の成長を遂げた。
IDC Japanでは、今後2~3年も同様の傾向が続くとみている。