ストレージ新技術を導入企業の9割が「期待通り」以上の評価~IDC Japan調査
IDC Japan株式会社は18日、国内企業のストレージ利用実態調査結果を発表した。この調査はWebを利用し、2010年12月に行われたもので、1052社から回答を得た。
今回の調査で2011年のストレージ投資の重点として回答率が高かった上位5項目は、「データ量増大への対応」(回答率57.4%)、「バックアップの効率化」(43.6%)、「セキュリティの強化」(30.4%)、「バックアップ統合」(17.5%)、「災害対策」(15.3%)の各項目という。
またこの中では、ストレージ新技術についての調査も行われている。2010年から多くのストレージ新技術が普及期に入っているが、今回の調査では、ストレージ仮想化(外部ストレージ仮想化、シンプロビジョニング、ファイル仮想化)、重複排除、階層型ストレージの導入後の評価について調査。この5つの新技術とも、「期待を大きく上回った」「期待を上回った」「おおむね期待通り」という回答の合計が90%を超えたほか、「期待を大きく上回った」「期待を上回った」の回答が合計で20%~35%になったという。
これについて、DC Japan ストレージ/サーバー/HCP/PCs グループディレクターの森山正秋氏は、「システムコストの抑制、インフラの有効利用、管理の効率化などを新技術の導入成果として挙げる企業が多いが、今後は運用管理の高度化、データ保護の強化、電力利用の効率化などが重要な導入目的になる」と分析している。
一方、今回の調査ではデータ移行が国内企業にとって重要な課題になっていることもわかった。国内企業のデータ移行は、サーバー/ストレージの更新/増設や統合、組織変更やデータセンターの統合などに伴い増加しているため、回答企業の6割以上が、前年と比較してデータ移行の回数が増えたと回答しているとのこと。
また、データ移行を実施した企業の3割が、「管理者の作業時間」「移行期間」「予算」の面で当初の計画をオーバーしたと回答。データ移行の課題としては「移行すべきデータ量の増大」「作業期間の長期化」「システム停止によるビジネスへの影響」「移行プロセスの煩雑化」などが挙げられており、これらの課題解決に取り組むことが、ユーザー企業にとってもベンダーにとっても重要になっていると、IDC Japanではコメントしている。