NTTソフト、SalesforceのSI事業を手掛けるテラスカイと資本・業務提携
NTTソフトウェア株式会社 代表取締役社長 伊土誠一氏(左)と株式会社テラスカイ 代表取締役社長 佐藤秀哉氏(右) |
エヌ・ティ・ティ・ソフトウェア(以下NTTソフトウェア)株式会社と株式会社テラスカイは28日、Salesforceビジネスを中心とした両社のクラウド事業の拡大・加速を目的として、9月24日付けで資本・業務提携に関する契約を締結したと発表した。
資本提携は、NTTソフトウェアがテラスカイの第三者割当増資を引き受け、テラスカイの発行済み株式の約10%強を保有する。第三者増資後、現在のテラスカイの資本金は1億3970万円。
NTTソフトウェアは2003年にSFA(営業支援)を目的としてSalesforceを導入。2008年には、Salesforceと社内システム連携を行うSkyOnDemandの販売でテラスカイと協業を開始し、Salesforceとの連携ビジネスに参入した。今後クラウド市場のさらなる拡大が見込まれることから、パブリッククラウド事業の足がかりとしてSalesforce事業を展開するにあたり、SalesforceのSI事業におけるノウハウを持つテラスカイと資本・業務提携を行ない、ノウハウを吸収するとともに、クラウド事業拡大を促進する考えだ。
NTTソフトウェアの会社概要 | 資本・業務提携について | 急成長するクラウド市場 |
NTTソフトウェアのSalesforce市場への取り組み | Salesforce市場への対応~テラスカイとの対応でSalesforceのSIに必要なスキルを補完 | NTTソフトウェアでのSalesforce活用例。Salesforceと社内システムとの連携にSkyOnDemandを活用。SkyOnDemandはNTT ComのBizCITY上に構築している |
テラスカイは、もともと100人規模のソフト会社の事業部としてスタートし、2006年に4月に分社化して株式会社テラスカイを設立した。現在までに350社以上のSalesforce導入を手掛けた実績を持つ。最近ではほとんどが大手企業の大規模導入案件だという。Salesforce認定デベロッパー数合格者24名を擁し日本では最多、Salesforce認定コンサルタント合格者は27名で、日本国内では1位のCSKに次いで2番目に多い(2010年8月現在)など、SalesforceのSIに特化したベンチャー企業だ。
テラスカイは9月16日に、Salesforce CRM/Force.comのフォームを自在に設計できるツール「SkyEditor2」を発表。SaaS型サービスとして、10月4日より提供開始する。
テラスカイの佐藤社長は、「Salesforce標準のレイアウトは日本の帳票では使いにくく、これまではVisualforceを使ったコーディングが導入のネックとなっていた。これをウィザードとドラッグ&ドロップなどの簡単な操作で画面作成をできるようにしたのが『SkyEditor2』で、これは米国にもないサービス。今後米国にも売り込んでいきたい」と新サービスをアピールした。
提携のメリットとしてテラスカイ佐藤社長は、「ベンチャーのクラウドサービスは信用力の面で弱い。この信用力強化が第一に上げられる。第二に、市場拡大への対応。現在は人の手当がつかなくて依頼をお断りしている状況があり、人員の増強が思うようにいっていない。拡大する市場に対して、社員約1500名を擁するNTTソフトウェアと協業できれば、人員不足から商機を逸することもなくなるだろう」と述べた。
テラスカイの会社概要 | 設立5年目のベンチャーだが、Salesforceの認定技術者数は日本で1、2を争う | 導入実績は350社を超える |
クラウドとシステム連携に特化した製品を提供 | Salesforceだけでなく、Google Apps、Microsoft Azule、Amazon EC2などのパブリッククラウドとの連携もサポート。オンプレミスのシステムとの連携も手掛ける |
今後の事業提携のさらなる強化の可能性については、NTTソフトウェア 伊土社長は「ビジネスが伸びていくと当然いろんな機能を作っていく必要がある。そうなると開発の資金が要る。われわれは積極的に資金提供していきたい」とコメント。
あくまで相手のテラスカイとの話し合いになるがと前置きした上で、「順調にいけば出資比率を上げ、NTTソフトとしては30%強にまでしていきたいと考えている」と述べ、提携が順調に展開すれば、連結決算対象となるレベルまで関係を強化したい考えを明らかにした。
逆に株の持ち合いについては、「NTTソフトウェアはNTTの100%子会社のため、そうした可能性はあまりないだろう」と述べた。