さくらインターネットが石狩市に大規模データセンター、外気冷房を全面導入


 さくらインターネット株式会社は21日、クラウドコンピューティングに特化した大規模データセンターを北海道石狩市に建設すると発表した。同日開催の取締役会で建設計画を決議した。総敷地面積は5万1488平方メートル(東京ドームの約1.1倍)。まず第1期計画として、ここに地上2階建て・延床面積6325平方メートルのデータセンターを建設し、500ラックを収容する。2011年秋に竣工、同年冬に運用開始予定。


第1期棟(500ラック)の概観図最終8棟(計4000ラック)建設時の全体図

 「さくらインターネット石狩データセンター(仮)」では、郊外型の立地でスケールメリットを出すとともに、北海道という寒冷地での外気冷房を導入することで低コストを実現する。東京23区内にデータセンターを作った場合と比較すると、賃料/土地・建物費、設備費、電力費の合計で半分以下になる想定だという。さくらインターネットでは、「インフラにおける日本のITコストを一気に世界標準にまで押し下げる」と説明している。

 データセンターのエネルギー効率を示す指標であるPUE(Power Usage Effectiveness)は、通年外気冷房のみの場合で1.11、夏季に従来型の空調運転を行った場合で1.21。さらに、温湿度条件を緩和した実験区画を設け、空調ファンも停止することで1.0台に挑戦する。PUE値は1.0に近づくほど効率がよく、一般的に2.0を切ると効率がよいとされているという。

 外気冷房のほか、将来は風力や雪氷などの自然エネルギーの活用も検討していく。また、サーバーからの排熱を事務室の暖房に利用するなど、環境にも配慮する。

 第1期の投資額は約37億円で、このうち約3億6000万円が土地購入費。敷地内には、データセンターを最大8棟まで増築可能で、合計で最大4000ラックまで収容できる。ここに同社のオリジナルサーバー(1ラックに160台搭載可能)を収容した場合、最終的には60万台以上のサーバーが稼働する計算になる。

 さくらインターネットでは、石狩データセンター(仮)の特設サイトを開設し、完成予想図や紹介動画を公開している。

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