エクストリーム、データセンター向けスイッチソリューション戦略を説明
4本柱で仮想化・クラウド環境へのスムーズな移行を支援
エクストリームネットワークス社長の浜田俊氏 |
エクストリームネットワークス株式会社は6月10日、「Interop Tokyo 2010」の開催に併せて、仮想化やクラウド環境への移行に向けた同社データセンター向けスイッチソリューションおよび今後の国内データセンター市場における戦略を説明する記者発表会を開催した。
まず、エクストリームネットワークス社長の浜田俊氏が、仮想化・クラウド環境においてスイッチベンダーが担う役割について述べた。「仮想化・クラウド環境でスイッチベンダーに求められるものは、『物理的なポートサポート』と『パフォーマンスの保証』の2点が挙げられる。10Gまたは40Gポートをどれだけ搭載できるかといった物理的な機能強化と同時に、搭載したポートをフルサポートするパフォーマンスの保証も必要になる」という。
「さらにもう一つ、当社が最も重視している取り組みが、仮想化・クラウド環境ではサーバーとネットワークのインフラを完全に分離させること。多くのベンダーは、スイッチに関わるソフトをサーバーに導入するソリューションを提供しているが、これではサーバー側の影響を受けやすく、ネットワークも多層化してしまう。仮想化・クラウド環境下におけるスイッチは、独立して機能するべきだと当社は考えている」として、米本社で4月20日に発表された新たなスイッチ技術「ダイレクトアタッチアーキテクチャ」の重要性を訴えた。
米Extreme Networks データセンターソリューションズ ディレクターのケビン・ライアン氏 |
続いて、米Extreme Networks データセンターソリューションズ ディレクターのケビン・ライアン氏が、「物理的環境から仮想化、クラウドと移行するにあたって」と題し、国内データセンター市場に向けた今後の戦略を説明した。
ライアン氏は、国内データセンターの仮想化・クラウド環境への移行にともなうネットワークの問題点として、「従来まで3層で構築されていた物理ネットワークに仮想化環境が加わることでスイッチが多層化し、エッジスイッチとサーバー間のネットワーク境界線が曖昧になってくる。このことは、サーバーとネットワークの管理保守体制にも影響を与え、ネットワーク設定に不慣れなサーバー管理者がネットワーク領域まで責任を負わなければならなくなる。さらに、従来スタティックだったネットワークにダイナミック性が強要されることも大きな問題だ。特に、VMモビリティによって、ネットワーク設定もサーバーをまたいでVMを追随させる必要がある」と指摘する。
そして、こうしたネットワーク問題に対して、「当社では“Four Pillars”(4本柱)ソリューションを展開することで、現在の物理的なデータセンターから、仮想化された次世代データセンターへのスムーズな移行を支援していく」との方針を示した。
“Four Pillars”ソリューション |
同社の掲げる“Four Pillars”ソリューションは、(1)Physical、(2)Efficient、(3)Scalable、(4)Automated、Customized――という4本柱で構成される。
「Physical」では、ネットワークトポロジーを簡略化する。同社の新技術「ダイレクトアタッチアーキテクチャ」と、高性能・高密度なスイッチソリューションを活用することで、多層化し複雑になっている物理ネットワーク階層を削減するとともに、コスト低減、パフォーマンス向上、ケーブル配線の簡略化、省電力化を実現する。
「Efficient」では、仮想化されたデータセンターの効率的な運用管理を実現する。米本社が4月20日に発表した新たなデータセンターマネジメントソリューション「XNV」によって、ネットワーク全体にわたりダイナミックな仮想化管理を提供。VMが作成された時点から最後までのライフサイクルをネットワーク管理下で可視化し、VMがデータセンター間で移動した場合でも、そのVMの詳細な履歴を追跡・管理することができるという。
「ダイレクトアタッチアーキテクチャ」でソフトウェアスイッチを排除 | データセンター向けスタッカブルスイッチの新製品 |
「Scalable」では、「ダイレクトアタッチアーキテクチャ」によって、サーバー内のソフトウェアスイッチを排除し、ネットワーク階層の簡素化を図る。「ダイレクトアタッチアーキテクチャ」を利用することで、サーバー内部のフルレイヤソフトウェアスイッチを介すことなく、VMとネットワークを直接接続することが可能となる。また、40Gに対応するデータセンター向けスタッカブルスイッチの新製品を投入することで、増加するスケーラビリティに対してスムーズなアップグレードを提供する。
最後の「Automated、Customized」では、ネットワーク管理の自動化・カスタマイズを実現する。同社のスイッチ製品は、すべて単一のOSを採用しており、スイッチ上で実行されるプログラムを使ってタスクを自動化。さらに、ネットワーク監視プラットフォーム「EPICenter」を経由して、仮想化に必要なデータベースを管理できる。また、XMLインターフェイスを通じて、スイッチを外部アプリケーションと連動させることもできる。このほか、ウィジェットを使うことで、ネットワーク自動管理のカスタマイズが可能となる。