ニュース

日立、フィジカルAIの活用でデータセンターインフラの統合運用を実現するソリューション「HMAX Data Center」を提供

HMAX Data Centerの全体像

 株式会社日立製作所(以下、日立)は3日、持続可能なデータセンターの実現を目指し、データセンターを構成する電力・IT・冷却設備などの各領域を横断し、AIを活用した自律運用・保守、全体最適化までをワンストップで提供するソリューション群「HMAX Data Center」を提供開始した。

 日立は、AIの普及に伴いデータセンター需要が急増する中、サーバーの稼働や冷却に伴う膨大なエネルギー消費が社会課題となっていると説明する。また、さまざまなインフラ設備が個別に管理されている一方、サーバー処理量と設備負荷は相互に影響し、インフラ運用が複雑化・高度化しているため、運用効率化や安定稼働がデータセンター運営の重要課題となっているという。

 HMAX Data Centerは、こうした課題を解決するために、IT・OT・プロダクトを併せ持つOne Hitachiの強みを生かして、戦略SIBビジネスユニット主導のもとで開発・体系化されたソリューション群として提供する。

 その第一弾として、中核となるデータセンター統合管理サービス「HARC for Data Center」を、北米向けに提供開始する。

 HMAX Data Centerは、グローバルで80社以上の顧客のクラウド運用改善実績を有する「HARC」を核に、日立グループの設備運用ナレッジとフィジカルAIを組み合わせることで、さまざまなベンダーの電力・IT・冷却設備の統合監視、設備をまたいだ障害の相関分析と対策、さらに運用改善までを伴走支援する。

 AIで社会インフラを革新する次世代ソリューション群「HMAX by Hitachi」の新たなカテゴリーとして、「プラットフォーム+サービス」のアプローチにより、日立の運用・保守スペシャリストが顧客と連携しながら、統合運用プラットフォームを活用して運用品質の向上を支援する。これまで顧客のクラウド運用費を30%程度削減してきたHARCのノウハウと実績を基盤として、サービスを通じてデータセンターにおいても同等の価値提供を目指す。

 電力・冷却設備やITインフラ、エネルギー管理・安全セキュリティ・環境監視などのシステムの運用データを収集・統合することで、データセンター全体の統合的なオブザーバビリティ(可観測性)を提供する。データセンター全体のITとOT両方のセキュリティを統合監視するダッシュボードや、日立のドメインナレッジを活用したセキュリティ異常検出ルールにより、安全かつ信頼性の高い運用を支援する。

 障害発生時には、AIによる異常検知とHARCによる電力・IT・冷却設備にまたがるデータの横断的な分析により、設備異常の予兆、運用リスク、サービス影響を早期に把握するとともに、アラートや設備状態、インフラ・システム間の相関分析を通じて、異常検知から根本原因の特定、対応策の提示、エスカレーションから復旧までを支援する。

 また、事後分析レポートの作成や継続的改善活動を支援し、再発防止と運用レジリエンスの向上やデータセンター全体のサービスレベル向上に貢献する。

 日本市場向けには、HARC for Data Centerをベースとして国内ニーズを取り込んだ新たなデータセンター統合管理サービスを、2027年1月の提供開始を予定する。

 今後、日立は顧客やパートナーとの協創を通じて、フィジカルAIと運用ナレッジを活用したサービスラインアップを順次拡大する。系統電力から自家発電・蓄電・放電までのエネルギー活用の最適化、冷却制御の効率化、障害の予兆検知、ITワークロード最適化による処理の最大化、キャパシティ管理による設備利用の最適化など、データセンター全体の最適化を目指す。