週刊海外テックWatch

急騰629%からの急落 中国Unitree上場が映すロボット大国の光と影
2026年8月31日 11:39
中国のヒューマノイドロボット大手Unitree Robotics(杭州宇樹科技)が8月19日、上海証券取引所に上場した。ロボットブームを象徴するかのように初値は公開価格の629%高まで買われたが、その後株価は急落。この乱高下には、国を挙げてロボット産業を推進する中国の野心と、実力が伴っていないとの懸念が同時に表れている。
UnitreeのIPOで何が起きたか
Unitreeは2016年、当時26歳のWang Xingxing(王興興)氏がドローン大手DJIでの勤務を経て創業した。四足歩行の「ロボット犬(机器狗)」で事業基盤を築き、2025年の春節を祝う中国国営テレビの看板番組「春晩」では同社の人型(ヒューマノイド)ロボットが登場してダンスを披露した。以後、Wang氏は習近平国家主席が主要テック企業トップと開いた会合で最前列に着席するなど、同社は中国が次世代技術の主導権を握るための「戦略的企業」としての地位を確立していく。
入念な準備を経たIPOは注目を集めた。8月6日、Unitreeは上海証券取引所の新興企業向け市場であるSTAR Market(科創板)上場に向けた公開価格を150.80元(約22米ドル)に決定したと発表した。発行株式数は約4045万株で、調達額は約61億元(約9億ドル)。これに対して倍率8000倍を超える個人投資家の申し込みがあり、当選確率は0.018%程度にとどまったという。中国のニュースサイトIT homeなどが報じている。
8月19日の取引開始直後、株価は1100元まで急伸して公開価格比629%高(時価総額約4449億元)を記録したが、その後は伸び悩み、終値は845元、公開価格比460%高で取引を終えた。この日の終値ベースの時価総額は約3418億元(約510億ドル)となった。
しかし熱狂は長続きしなかった。8月25日まで3営業日連続の下落を経て、株価は高値から約45%下落した。時価総額は、ピーク時の約660億ドルから300億ドル近くが失われた計算になる。