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AWS、ゲノムデータなど生物学的データ解析の専用サービス「AWS HealthOmics」を東京リージョンで提供開始
2026年7月29日 06:30
Amazon Web Services(AWS)は27日、AWS東京リージョンにおいて生物学的データ解析の専用サービス「AWS HealthOmics」の一般提供を開始したと発表した。AWS HealthOmicsは、米国の医療情報保護法(HIPAA)および日本の政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)に準拠し、フルマネージドのバイオインフォマティクスワークフローを通じて、臨床診断検査や創薬研究を加速する。
AWSは、がんや指定難病などの治療においては、患者一人ひとりのゲノム(人間の全遺伝情報)データを解析して疾患の原因を特定する「ゲノム医療」が、課題を克服する道筋として期待されていると説明する。日本政府は2023年の「ゲノム医療推進法」施行後、バイオバンク・ネットワークジャパンが保有する60万人分の高品質で多様な試料・情報の利活用を促進しているほか、2026年3月には「日本ゲノム医療推進機構」を発足し、年間7000人規模、将来的には10万人超の全ゲノムデータ収集・解析と創薬への利活用体制の整備を本格化させている。
これまでの遺伝子パネル検査が全ゲノムの約1.5%を対象としていたのに対し、全ゲノム解析では残りの大部分も含めた網羅的な分析が可能になる一方、扱うデータ量は飛躍的に増大する見込みとなっている。こうした中、セキュアなワークフローの実行と高速な解析を両立し、研究者がインフラの運用管理ではなく研究そのものに注力できる環境の構築が喫緊の課題だとしている。
AWS HealthOmicsの東京リージョンでの一般提供開始により、日本の研究者や臨床検査に携わる医療機関は、サーバーやストレージの管理ではなく、研究そのものに集中することが可能になると説明する。弾力的にスケールするフルマネージドなバイオインフォマティクスワークフローの実行を可能とし、Amazon SageMakerやAmazon BedrockなどAWSのAIサービスとシームレスに連携できるため、ゲノムデータの解釈にAIを活用することや、AIエージェントによる解析ワークフローの自動化を組み合わせることで、創薬研究や個別化医療の実現を加速できるとしている。
AWS HealthOmicsは、業界標準のバイオインフォマティクスワークフロー言語(WDL、Nextflow、CWL)に対応し、ITインフラの構築や運用は不要で、研究者は複雑なゲノム解析パイプラインを即座に実行でき、解析実行ボリュームに応じて弾力的に拡張できる。
ワークフロー内からAmazon SageMakerやAmazon BedrockのAPIを呼び出し、AIによるデータ解釈、バリアント解析、AIエージェントによるプロセス自動化もできる。ゲノムデータは暗号化して保存し、誰がアクセスできるかを厳密に管理できる。
グローバルでは、スイスの大手製薬企業であるRoche、米国の最先端遺伝子検査企業であるNatera、英国政府のゲノム解析機関であるGenomics Englandなど、ゲノミクス分野を代表する企業・機関がAWS HealthOmicsを活用しているという。
