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国内企業のAI導入は広がる一方、新たな価値創出やビジネス変革への発展が課題に~IPA「DX動向」調査
2026年7月17日 08:30
独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPA)は16日、国内企業に対して毎年実施しているDX動向調査におけるDXの取り組みとその成果、AI活用動向、人材育成などについて調査した結果のポイントを公開した。調査では、国内企業におけるDXは普及し、AI導入は広がっている一方、業務効率化の段階から新たな価値創出やビジネス変革へと発展させることが今後の重要な課題だとしている。
IPAでは、国内外企業のDXに関する状況や課題などを把握し、公表することを目的に「DX動向調査」を実施している。2026年4月から6月まで、国内企業に対して行った2025年度調査について、DXの取り組みや成果、AIやデータの利活用、人材育成などのポイントを公表した。なお、より詳しい調査結果を掲載した「DX動向2026」報告書およびデータ集は7月下旬に公開予定。
調査によると、DXの取り組み状況については、8割近くの企業が何らかの形でDXに取り組んでいる結果となった。過去2回の調査と比較すると、何らかの形でDXに取り組んでいる企業の割合はほぼ同水準で推移している。取り組みの各項目の割合にも大きな変化は見られず、DXの取り組み割合や取り組み形態は一定の水準で推移している。
DXの成果については、DXの取り組みにおいて設定した目的に対する成果が出ているかを尋ねたところ、6割の企業が「成果が出ている」と回答した。過去2回の調査と経年比較すると、「成果が出ている」の割合に大きな変化はなく、DXの取り組み成果の割合もおおむね同水準で推移している。
DXの具体的な取り組み項目別の成果状況では、
「アナログ・物理データのデジタル化」や「業務の効率化による生産性の向上」が、他の取り組み項目と比べて「すでに十分な成果が出ている」と「すでにある程度の成果が出ている」を合わせた回答割合が高く、経年比較でも高い水準を維持している。「組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化」「顧客起点の価値創出によるビジネスモデルの根本的な変革」「企業文化や組織マネジメントの根本的な変革」といったDXの段階の項目については前回調査よりもわずかに伸びているが、デジタル化や業務効率化に比べると相対的に低い割合となっている。
AIの導入状況については、従業員規模別に見ると企業規模が大きくなるほど導入が進んでいる傾向がある。1001人以上の企業では8割近くが導入している一方、101人以下の企業では16.6%であり、従業員規模で導入割合に差が見られる。
AI導入による効果については、「期待以上の効果があった」「期待どおりの効果であった」の合計が31.8%となった。「一定の効果はあった」が50.6%で最も高く、多くの企業でAI導入による効果が得られている。
AIの利用用途は、「文書・音声の要約・翻訳・校正」が82.5%と最も高く、次いで「文書・レポートの作成(社内・社外)」が80.5%、「情報検索・収集・分析・レポーティング」が77.0%で、文書作成や情報収集など、業務効率化を目的とした用途が中心となっている。これに対して、「生産・物流・サービス提供の計画支援」は6.0%、「自社製品・サービスの高度化」は10.9%で、事業の高度化や新たな価値創出につながる用途の回答割合は業務効率化などと比べて低くなっている。
AI導入による効果の内容は、「業務が効率化したり迅速化した」が91.6%と最も高く、次いで「企画提案等の品質や速さが向上した」が48.9%、「残業時間の削減につながった」が29.2%で、効果の中心は業務効率化・迅速化となった。これに対して、「顧客満足度が向上した」は4.5%、「対象となる顧客が拡大した」は2.7%、「売上や利益が向上した」は3.9%など、企業価値創出に関連する効果の回答割合は数%台となっている。
AIの利活用のDX推進に対する位置付けを尋ねた質問では、「DXの推進の一部としてAIを活用している」と「DXの推進のためAIを中心に活用している」の合計が54.2%で、DXに取り組む企業の半数以上がAIをDX推進の手段として位置付けている。なお、「DXとAIは個別に取り組んでいる」企業も、DXに取り組む企業の4分の1を占めた。
DXを推進する人材の「量」の確保状況は、「やや不足している」「大幅に不足している」の合計が85.5%で、2024年度、2023年度とほぼ同じ水準で推移している。
AI関連人材の充足状況は、多くの人材種別において「不足している」が過半数を占めている。「AIに理解がある経営・マネジメント層」および「AIツールを活用して、自社の事業に活かせる従業員」の「不足している」割合が他と比べて減少しているものの、「現場の知見と基礎的AI知識を持ち、自社へのAI導入を推進できる従業員」「データマネジメントの知見があり、社内で企画、推進できる人材」とともに、不足しているとの回答割合は高いままとなっている。
このほか調査では、DXの成果指標、企業文化と風土、データの利活用や連携状況、AIの導入・運用課題、DXを推進する人材のスキル把握状況などについても分析し、報告書としてまとめている。









