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富士フイルムビジネスイノベーション、複合機保守を効率化する的にする統合AIプラットフォームを開発
国内外で順次運用開始へ
2026年7月17日 06:15
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社は16日、複合機の保守プロセス全体の効率化を目指し、AI機能を搭載した統合型保守支援プラットフォームを開発した。2026年7月からアジアパシフィック地域、および欧米地域、10月以降日本での運用を始める。
従来は保守業務を担当するカスタマーエンジニア(CE)が集めていた情報を、「統合型保守支援プラットフォーム」としてまとめて提供し、さらにAIによるサポートによって、若手エンジニアなどでもベテランと同等の作業品質と効率を実現することを目指していく。将来的には、簡単なトラブルであればAI活用によって顧客自身がメンテナンスできるようにすることも視野に入れている。
富士フイルムビジネスイノベーションの田村一夫執行役員は、「保守サービスは、お客さまとの重要な接点の場。現場で得られるさまざまな知見や課題は、次の商品やサービスの改善、新たな提案につなげていく重要な役割を果たしている。保守は単なる修理業務にとどまらない、お客さま価値の向上と継続的な事業成長を支える重要な基盤と位置づけている。AI活用で、お客さま自身にメンテナンスを依頼することがあっても、機器の進化によって故障やメンテナンス情報を発信し、当社のノウハウとするなど新しい世界が広がっていくことを考えていきたい」と述べ、保守業務を効率化しながら、重要な事業基盤と認識しているとアピールした。
必要な情報に迅速にアクセスできる環境を提供する統合プラットフォーム
今回提供を始める統合型保守支援プラットフォームでは、サービスマニュアル、機械情報、診断ツール、保守実績データ、技術情報、エラー履歴、FAQなどをクラウド上で一元的に管理し、CEが必要な情報に迅速にアクセスできる環境を提供する。
「従来は、分散していた情報をCEが集め、保守作業を行っていた。これをプラットフォームとしてひとつにまとめ、提供する。さらに、当社が開発したAIによって、修復の可能性が高い部品をAIが推奨することも可能なほか、修理手順、次にとるべきアクションなどが提示される。従来に比べ、作業時間の短縮、個人の経験によらない高品質なサービスの標準化、初回訪問時に問題を解決し再訪問の削減、お客さま先の機械のダウンタイム低減などを実現する。単なる効率化にとどまらない、お客さまのビジネスを止めない、保守プロセスの変革を目指していく」(富士フイルムビジネスイノベーション デバイステクノロジー事業本部 アフター事業統括部の浅田宏幸部長)。
新たに開発したAI支援型メンテナンスツール「AI Spare Parts Recommender」は、顧客からの問い合わせ電話の内容から、障害の詳細を入力すると推奨する部品を提示する。過去の保守実績データをもとにしたAIとなっている。
「AI Service Manual」では、実機確認によって得た障害の詳細を入力すると、修理手順を出力する。サービスマニュアルをデータとして活用した結果であり、「これらのAIによって、ベテランではないCEでも品質の高い作業が可能となる」(浅田部長)とした。
2026年2月と3月には、この仕組みを使ったPoCを豪州と香港で実施した。「その結果、AI Spare Parts Recommenderの正答率は約8割、AI Service Manualの正答率は約9割という結果が出ている。また、原因特定までにかかった時間が5割以上短縮できるといった結果も出た。このアジアパシフィックでの実証実験の結果をふまえ、アジアパシフィック地域では、再訪問件数の15%削減、トラブル原因の特定にかかる時間の30%削減を目標に、7月から本稼働する。この新施策を、お客さまへの価値提供の最大化をつなげていきたいと考えている」(浅田部長)。
新プラットフォームの日本での導入開始は10月になる。再訪問件数、トラブル特定にかかる時間の目標値は、現時点では明かされなかった。「日本での目標値についてはあらためて考えたい」としている。
なお、現時点で登録されているサービスマニュアルは全機種分ではなく、現在販売している機種を中心とした一部の機種になっている。今後、登録機種を増やし、全機種登録を実現する計画だ。
富士フイルムビジネスイノベーションでは、これまでも保守業務のプロセス変革を実施し、過去には保守情報のデジタル化と、活用基盤を整備することで保守業務の品質と生産性を向上するデータ活用を進めてきた。現在は、データ接続性を活用した遠隔支援と予防技術によって、保守の効率化とダウンタイム最小化を実現する取り組みを進めている。
その先にあるのがAIを活用した保守の変革で、今回の新プラットフォームもこの取り組みのひとつとして実施する。「今後の進化としては、複合機自体がAI活用によって進化し、機器自身から故障の予兆を発信するなどの発展も考えられる。保守業務で得たノウハウは重要と申し上げたが、ノウハウ蓄積の方法も幅広いものになっていくのではないか」(田村執行役員)。
なお、富士フイルムビジネスイノベーションでは、コニカミノルタと提携し、複合機やプリンタの共同調達を行うことを発表しているが、「今回の保守業務は提携領域ではないため、共同で何かをする計画は現時点ではない」と説明している。







