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日本企業のDX推進指標、多くの企業が「一部での散発的実施」にとどまる~IPA調査

 独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPA)は7日、日本企業におけるDXの現状や実態を把握することを目的に、企業が提出した1349件のDX推進指標自己診断結果を分析した「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2024年版)」を公開した。

 IPAは2019年から、各企業が提出した「DX推進指標」の自己診断結果を分析し、その結果をレポートとして毎年公開している。今回のレポートでは、全体的な傾向に加え、中小企業や先行企業、 DX認定制度で認定された企業のほか、DX推進指標を2年連続で提出した企業の特徴についても分析している。

 2024年の全体的な傾向は、DX推進の成熟度が「レベル0(未着手)~レベル2(一部での戦略的実施)未満」に偏っており、レベル4(全社戦略に基づく持続的実施)以上の企業は全体の1%と非常に少ない。レベル3以上である「全社戦略に基づく実施」がなされている企業は少なく、多くの企業のDX推進は「一部での散発的実施」にとどまっている。

2024年DX推進指標提出企業の現在値の平均の分布

 DX推進の全指標では、現在値が1.67、目標値が3.34で、その差は1.67に上る。経営視点指標およびIT視点指標でもほぼ同様の差があり、企業が目標を達成するためには「DXのための経営の仕組み」と「その基盤としてのITシステムの構築」を両輪として、目標策定とアクションを実行する必要があることが分かったとしている。

全企業の現在値と目標値の差
指標現在値目標値
平均値中央値平均値中央値
全指標1.672.003.343.00
経営視点指標1.662.003.353.00
IT視点指標1.692.003.343.00