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IPA、「DX実践手引書」の改訂版を公開、「データスペース」と「データ活用におけるAI」を追記

 独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPA)は27日、DX未着手・途上企業の担当者を技術的側面から支援するための手引書「DX実践手引書 ITシステム構築編」について、改訂版を公開した。同書はIPAのサイトからダウンロードできる。

 IPAは2021年11月、DX未着手・途上企業の担当者を技術的側面から支援するため、「DX実践手引書 ITシステム構築編」を公開し、DXを実現するためのITシステムとそれを構成する技術要素群の全体像を「スサノオ・フレームワーク」として提示した。

 その後、アジャイル、IoT、APIといった技術・手法との関連や先行企業の事例を追記するなど改訂を続けており、今回、DX実現のためのデータ活用への注目の高まりを受け、「データスペース」と「データ活用におけるAI」の解説を追記し、手引書を改訂した。

改訂範囲は以下のとおりです。第4章の「あるべきITシステムとそれを実現する技術要素」における「4.4 データ活用」において、「4.4.4 データスペース」と「4.4.5 データ活用におけるAI」を追記しました。

 データスペースの項目では、「国や組織の垣根を越えたデータの流通を可能にする標準化された仕組み」であるデータスペースについて、そのメリットや、データ連携方法と特徴などを示した。例えば、データスペースのデータ連携および特徴の図として、1)データを探す、2)認証・認可、3)データ転送/アクセス――の3ステップを示している。

 データ転送/アクセスのための仕組みでは、「コネクタ」を紹介。従来のように一括でデータの塊をダウンロードするような方法ではなく、多頻度でデータ単位のアクセスが行われるデータスペースでは、異なる国や組織などでもデータをスムーズに連携する仕組みであるコネクタを利用することで、データ提供者とデータ利用者がつながり、データ連携が可能となることを説明している。

データスペースのデータ連携および特徴(4.4.4 データスペース)

 データ活用におけるAIの項目では、AIシステムが効果的に機能するためのデータ環境整備の観点や、AIのセキュリティ・セーフティへの課題、注目されるAIの機能とその具体例などについて紹介している。