ニュース
両備システムズ、「公開羅針盤V4人事給与システム」で生成AIによる人事異動案作成の実証実験を開始
2026年6月3日 13:04
株式会社両備システムズは2日、自治体の人事行政において生成AI活用の課題と有効性を検証するため、同社の自治体特化型内部情報システム「公開羅針盤V4人事給与システム(以下、人事給与システム)」と、生成AIを連携させた「AI人事異動」を活用し、人事異動案作成の効率化を目指す実証実験を開始したと発表した。
実証では複数の自治体と協力し、自治体の人事異動業務の効率化と職員の負担軽減に加え、属人化の解消と業務品質の安定化を図り、自治体DXの推進に貢献することを目指す。実証期間は2026年5月~7月頃を予定している。
自治体の人事行政は、採用、異動、研修、評価など多岐にわたり、中でも定期人事異動の時期には業務負担が集中する傾向がある。多くの自治体では、毎年3月末に職員全体の数割規模が一斉に異動するため、異動案の検討から辞令交付に至るまでの膨大な事務作業を短期間で完結させる必要があり、人事部門に大きな負担がかかっている。また、異動案の検討は、自治体特有の複雑な条件や扱う情報の性質上、特定の担当者に業務が集中しており、属人化や長時間労働が課題となっているという。
両備システムズではこれまで「公開羅針盤シリーズ」を通じて、さまざまな自治体業務を支援する機能を提供してきた。職員の負担軽減と自治体DXの推進を目的に、人事給与や文書管理機能の強化に加え、他社サービスとの連携やAI機能の搭載など、継続的な開発を進めている。
さらに、自治体の人事行政における課題解決を目指し、AI人事異動を開発した。AI人事異動は、人事給与システムで管理されているデータを活用し、AIによって定期人事異動に関わる作業時間の削減を図る。従来はシステム外にて新旧担当者間で引き継がれていた、異動案検討時の条件などの判断根拠を人事給与システムに登録することで、業務に関するノウハウが属人化することなく同じ品質で意思決定プロセスを再現できる仕組みづくりに貢献する。
今回の実証では、複数の自治体において、人事給与システム上でAI人事異動の実証実験を行い、自治体の人事行政における生成AIの適合性を評価する。人事給与システムで管理されている人事データと登録した異動条件を活用して、人事異動案をAIが生成する。生成された人事異動案は決定後、人事給与システムに反映され、内示書などの作成に利用できる。
実証では主に、「異動案採用率」「異動案不採用理由」「提案理由の説明充足度」の3項目を評価する予定。
異動案採用率は、AIが生成した人事異動案をそのまま採用した場合に、従来の異動案との一致率を評価する。これにより、異動案検討に要していた時間と担当者の作業時間がどの程度削減・抑制できるかを明らかにする。
異動案不採用理由は、AIが生成した人事異動案を職員が確認し、不採用とした理由を分析する。これにより、人事異動案作成をAIで効率化する際の課題を明らかにし、実務に適合したAIとなるよう改善を重ね、作業負担軽減効果のさらなる向上を目指す。
提案理由の説明充足度は、異動候補者の異動先を選定した理由についてもAIを活用して生成する。AIが検討した異動案の妥当性だけでなく、提示された理由も評価し、AI人事異動案の説明可能性を明らかにする。これにより、人事行政に求められる公正性や透明性が確保され、現場で安心して利用できる仕組みとなっているかを検証する。
両備システムズでは、定期人事異動におけるAI活用による業務効率化、職員の負担軽減、属人化の解消、業務品質の安定化に対する効果検証を行い、明らかになった課題に対して改善を実施する。また、実証で得られた知見を踏まえ、人事行政をはじめとする行政内部事務全般へのAI適用を検討していく。
