ニュース
富士通、Anthropicとの戦略的パートナーシップ契約を締結
2026年5月28日 13:14
富士通株式会社は27日、米Anthropicとの戦略的提携を発表した。協業により、富士通はAnthropic戦略的パートナーとなり、Anthropicの先端的なAI技術と、富士通が培ってきた業種・業務ノウハウ、ミッションクリティカル領域のシステム構築・運用力を融合することで、日本企業のAIトランスフォーメーションを本格的に加速するとともに、重要インフラをはじめとする社会基盤の安全性・信頼性の強化に貢献するとしている。
富士通では、AI技術は業務効率化の段階を超え、企業の競争力や社会システムの強靭性を左右する基盤技術になりつつあると説明する。また、最先端のAIは強力であるため、使い方を誤ると想定外の影響を及ぼす可能性があり、とりわけ官公庁、金融、ヘルスケア、防衛、重要インフラなど、社会の根幹を支える領域では、AIの高度な性能を安心して使いこなせることが重要で、実装や継続運用まで含めて価値を出し続ける体制が不可欠だとしている。
富士通は、まず自ら「Claude」をはじめとするAnthropicのAIを徹底的に活用し、その実践を通じてノウハウを蓄積・展開することで、日本企業および日本社会におけるAIトランスフォーメーションの推進に取り組む。また、日本や世界の重要インフラに関与する企業としての責任のもと、AI時代のセキュリティを強化する。協業により富士通はAnthropicの最新のAIモデルに早期にアクセスし、これらを活用したソリューションの開発・提供を通じて、顧客に対してより高度で実践的なAI活用を提供していくとしている。
また、富士通はAIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi」や大規模言語モデル「Takane」をはじめとする自社AI技術も有しており、データ主権、規制対応、セキュリティ、性能といった顧客の要件に応じて最適なAIの選定・設計・統合までをコントロールすることで、安心して利用できる形で提供していく。このように複数のAIを使い分ける前提のもと、協業によりAnthropicの先端的なAIを組み合わせることで、さまざまなAI活用へのニーズに応えていく。
さらに、富士通は、既に実施している安心・安全なAI社会の実現に向けた取り組み(AIトラスト)に加え、富士通が有する先端テクノロジー(HPCや量子コンピューターを含む次世代のハイブリッド計算基盤など)のAI先端領域への活用を検討していく。これにより、AIの安全性・信頼性を確保しながら、ミッションクリティカル領域においても安心して利用できるAIの社会実装を推進していくとしている。
協業において、富士通はAnthropicの「Claude」を活用し、AIを確実に価値創出につなげる「Forward Deployed Engineer(FDE)モデル」を強化・展開していく。富士通はこれまでPalantir Technologiesをはじめとした先進的なテクノロジーパートナーとの戦略的な提携を通じて培ってきたFDEの実践知を有しており、顧客の現場に入り込みながら、さまざまな業種知見と、「Fujitsu Kozuchi」や「Takane」などの自社テクノロジーを組み合わせ、AIのユースケース設計から実装・定着までを短期間で実現してきた。
今後、協業では、こうした富士通のFDEモデルにAnthropicのClaudeを組み合わせることで、単なるAI導入にとどまらず、顧客との密接な協業および業種別の知見を基盤に、実際の業務価値に直結するAI活用を実現していくとしている。
また、AI時代のサイバー防御力強化に向け、企業や重要インフラおよび必須サービスのサイバー防御力の向上を推進する。専門人材に依存した属人的なサイバー防衛から、人とAIが協業して迅速に対応できる次世代のセキュリティ運用モデルへの進化を目指す。特に、ミッションクリティカル領域におけるAI活用と防御の両立を実現する。AIの技術進展に伴うサイバー防御への対応は大きな社会的課題となっており、富士通は日本政府と連携し、得られた知見を通じ、社会全体のセキュリティ強化に貢献していく。
さらに、富士通グループ全社員(約10万人)がAnthropicのClaudeを自ら活用して、業務の高度化、高速化を実施しながら、AIを安心・安全に使える形を実践的に検証していく。具体的には、富士通が持つAIの信頼性向上を可能とする技術を組み込みながら、AIの利用における安全性・透明性・制御性を担保する技術と運用の両面を確立していく。その過程で得られた知見や標準化されたアプローチを顧客に還元することで、日本企業における信頼性の高いAI活用を推進していく。
既に2026年2月にAIドリブン開発基盤の取り組みを発表しているように、「Takane」のAIエージェントによる大規模システムの更新工程の自動化に取り組んでいるが、Claudeも使いこなすことで、さらなる開発生産性の向上にも取り組む。
