ニュース

ソラコム、IoT自動化サービス「SORACOM Flux」でカメラ・GPS・ボタンと連携するIoT自動化テンプレートを拡充

 株式会社ソラコムは22日、IoTオートメーションサービス「SORACOM Flux」について、テンプレートを選択して必要な項目を設定するだけでIoTシステムの自動化アプリケーションを構築できる「アプリテンプレート」を拡充し、提供テンプレート数が14種類になったと発表した。

 SORACOM Fluxは、センサーやカメラなどから取得したIoTデータをもとに、通知や生成AIによる分析といった処理を組み合わせることで、業務の効率化や自動化を実現するIoTオートメーションサービス。プログラミングの知識がなくても、ブラウザー上の操作だけで設定でき、現場主導のデジタル化を支援する仕組みとして活用されている。

 SORACOM Fluxは、イベントトリガー、条件分岐、アクション、出力先など、アプリケーションを構成する各要素をユーザー自身が設計する必要がある。これに対し、アプリテンプレートは、代表的なユースケースに最適化されたワークフローがあらかじめ用意されており、ユーザーは最小限のパラメーター設定のみで自動化アプリケーションをすぐに利用できる。

 新たに提供するテンプレートのうち、「ソラカメで動画の解析と通知」は、ソラコムクラウドカメラサービス「ソラカメ」で取得した動画を生成AIで分析し、その結果に応じて通知を行う自動化アプリケーションを構築できる。静止画では、特定の作業や状態を狙ったタイミングで撮影・分析することが難しい場合があるが、動画ではその前後の状況も含めて記録できるため、分析に適したフレームをAIが選択して分析することが可能になり、撮影のタイミングが重要となるユースケースにおいても、状況把握や検知を効率的に実現できる。ソラカメを利用したテンプレートとしては、このほかにも「ソラカメで人数検知して可視化と通知」などを提供する。

 また、SORACOM IoTストアで提供しているリファレンスデバイスと連携するテンプレートも拡充した。「LTE-Mボタンでソラカメにリアルタイムアクセス」では、セルラー通信対応のボタンデバイスをシャッター代わりに使用し、撮影した画像を生成AIで分析して結果を通知する仕組みを構築できる。例えば、駐車場の利用状況を知りたいときにボタンを押すことで撮影し、AIに画像に写っている車の台数を分析させ、テキストで通知を受け取れる。

 「GPSマルチユニットで位置情報を判定して通知」では、GPSデバイスから取得した位置情報をもとに、指定した座標から一定範囲の内外を判定し、その結果を通知するジオフェンシングのユースケースを実現する。GPSマルチユニットを利用したテンプレートとしては、位置情報から、1kmメッシュの天気予報情報を取得して通知する「GPSマルチユニットでパーソナル天気予報」も提供する。

 さらに、SORACOM Fluxの機能として、画像解析を伴う自動化をより高度化する新アクション「バウンディングボックス」機能が利用可能になった。同機能では、画像内の特定のエリアを枠(バウンディングボックス)で指定し、その枠内のみをAIに分析させられる。複数の枠の設定も可能で、カメラを活用した特定の棚の在庫推定や、特定エリアにおける人物検出など、より精度の高い画像解析システムを構築できる。

テンプレートを使ったアプリケーション構築時の画面イメージ