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日立、生命保険会社向けに契約者マイページの開設を促進するサービスを提供
2025年12月24日 09:00
株式会社日立製作所(以下、日立)は22日、生命保険会社と契約者間のデジタル接点強化に向け、「申込時マイページサービス」を提供開始したと発表した。
申込時マイページサービスは、申込時に登録した情報や認証結果と、これまで生命保険会社で保険の申し込み手続きとは別に手続きが必要だった契約後のマイページ(以下、契約者マイページ)を、シームレスに連携することで、契約成立後の契約者マイページの開設を促進する。
生命保険業界では、契約者のニーズの多様化に対応するため、デジタル技術を活用した業務への変革が急務となっている。また、金融庁が掲げる「顧客本位の業務運営に関する原則」に基づき、生命保険会社は契約者に対し商品・サービスに関する重要情報を分かりやすく提供することや、契約後も契約者のライフプランに応じた適切な情報提供や保険商品の提案など、長期的な視点での適切なフォローアップが求められている。
こうしたことから、生命保険会社はオンライン上の契約者マイページを活用し、デジタルで契約者との接点を強化するとともに、契約者への案内や送付手段もデジタルに移行することにより、紙媒体の作成や郵送物の発送の労力軽減を目的とした、ペーパーレス化の推進にも取り組んでいる。しかし、現在は生命保険会社から契約者に対し、保険契約成立後の契約者マイページの登録勧奨を行っているものの、登録・利用率に課題があり、生命保険会社における契約者のニーズの多様化への対応や業務変革における障壁となっている。
日立はこれらの課題解決に向けて、金融業界におけるDX化に取り組んできた知見とデジタル技術を生かすことで、保険申し込みから契約後の契約者マイページ利用までをシームレスに連携するサービスを開発し、保険会社向けに提供を開始した。
サービスにより、契約者マイページの開設を促進してペーパーレス化の範囲を広げ、保険申込時だけでなく契約後も、契約者がマイページ上で募集資料や申込書類の控えなどをいつでも参照できるようにする。
生命保険会社においては、ペーパーレス化がさらに進むことで、これまで労力を費やしていた、紙媒体の作成・印刷や郵送、保管にかかるコストに加え、管理業務の負担を軽減し、業務効率化をさらに推進する。合わせて、紙資源の消費や輸送に伴う温室効果ガスの排出量の削減を通じて、環境負荷の低減にも貢献する。また、契約者においても書類紛失のリスクや保管の負担が軽減することで、利便性の向上も実現する。
サービスにより、保険申し込み手続き時に、従来は任意だった契約者の連絡先を認証確認してアカウントとひも付けることで、生命保険会社による契約者との接点確保・強化に寄与する。これにより、オンライン上で生命保険会社が提供する契約者一人ひとりに合わせたタイムリーな情報提供や、ライフプランに応じた商品提案といったアフターフォローを拡充でき、契約者のニーズに沿ったサービス提供に貢献する。
なお、サービスのファーストユーザーとして、第一フロンティア生命保険株式会社での導入が決定し、12月21日に稼働開始した。
日立は今後、生命保険各社にサービスを広く展開することで、デジタルでの契約者との接点強化を通じて業務効率化と契約者本位の商品・サービス提供を支援し、生命保険業界における契約者のニーズの多様化に伴う変革に貢献するとしている。
