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NTTドコモビジネス、現場担当者自身でAIモデルの開発・導入を行えるAI Soft Sensor導入支援パッケージ

 NTTドコモビジネス株式会社(旧称:NTTコミュニケーションズ株式会社)は12日、化学・水処理などのプラントを運用するにあたり、環境変化に応じた品質予測が可能なソフトセンサー「AI Soft Sensor」の導入支援パッケージを提供開始すると発表した。

AI Soft Sensorの利用画面

 化学プラントや水処理プラントなどの設備では、物理センサーによって状態や品質をリアルタイムに測定し、安全かつ効率的な運転が行われているが、コストや技術的な制約により物理センサーの設置が難しい場合もあり、周囲のセンサーから取得したリアルタイムな測定データをもとに、直接測定できない情報を推定する「ソフトセンサー」が利用されている。

 このソフトセンサーを利用すると、例えば、毎分測定される圧力や温度などのデータを活用して、通常は1日1回しか評価できなかった状態や品質を毎分推定できるようになるという。一方で、ソフトセンサーは将来の値も予測できる技術だが、環境変化による精度低下や導入にかかるコスト・期間、専門知識の必要性といった新たな課題もあるとのこと。

 NTTドコモビジネスでは、こうした課題の解決に向け、自動再学習により環境変化に適応し、精度を維持するソフトセンサー「AI Soft Sensor」を提供している。同製品はソフトセンサーに必要な機能をすべて有しており、ソフトセンサー端末をDCS(Distributed Control System:分散制御システム)やPLC(Programmable Logic Controller)などのプラント制御装置と接続することで導入できるが、今回は、その導入を支援するためのパッケージを新たに提供する。

 このパッケージは、1)「AI Soft Sensorモデル開発教育プログラム」と2)「AI Soft Sensorモデル導入支援ツール」から構成されており、AIや機械学習の専門知識がなくても、現場担当者自身がAIモデルの開発・導入を行えることが特徴。化学・水処理などのプラントを運用するにあたり、リアルタイムでの状態や品質の測定が困難な工程を抱えている企業や、物理センサーの設置が難しく、現在も人手によるサンプル分析をしている企業などが対象となる。

 このうち1)は、「AI Soft Sensor」用のAIモデルの開発、導入方法を体系的に学ぶためのプログラム。AIモデル開発に必要な基礎知識を習得する基礎講座と、NTTドコモビジネスが開発するノーコードAI開発ツール「Node-AI」を用いる実践講座から構成され、機械学習や統計、プログラミングに関する知識を持たないユーザーでも、「AI Soft Sensor」用のAIモデル開発方法を習得できるとした。

AI Soft Sensorモデル開発教育プログラムの操作画面

 一方の2)は、「AI Soft Sensor」を動作させるために必要なさまざまな設定を、対話形式でサポートする機能と、自動再学習することにより環境変化に適応した際の予測精度をシミュレートする機能を含むツール。これを用いることにより、環境変化に対応したAI Soft Sensor用AIモデルを容易に開発し、現場に導入できるとしている。

AI Soft Sensorモデル導入支援ツール