ニュース

NRI、企業の生成AI活用を支援する「AI共創モデル」でGoogle Cloudに対応

 株式会社野村総合研究所(以下、NRI)は29日、企業における生成AIの活用を包括的に支援する「AI共創モデル」を新たにGoogle Cloudに拡大し、マルチクラウドでのサービス提供体制を強化したと発表した。

 取り組みでは、NRIがGoogle CloudおよびAIパートナー企業と協力し、Google Cloudのフルマネージド統合AI開発プラットフォーム「Vertex AI」およびGoogle AIを利用できるエージェントプラットフォーム「Gemini Enterprise」を活用して、業種・業務に特化したAIエージェントを開発し、企業の生成AI活用を加速させる。

 NRIは、日本企業が生成AIを活用する際に直面する人材確保や業務プロセスへの組み込みといった課題を解決するため、大手クラウドベンダーやそのクラウドの知見を有するAIパートナー企業と連携して支援する「AI共創モデル」を2025年6月に開始した。AI共創モデルでは、NRIのコンサルティング力やシステム開発力に加えて、大手クラウドベンダーの生成AI・クラウド技術とAIパートナー企業の専門性を組み合わせ、企業の生成AI活用段階に応じた支援を提供する。

 NRIでは、Google Cloudの生成AIサービスを活用したい企業のニーズに応えるため、AI共創モデルに参画する大手クラウドベンダーにGoogle Cloudを追加し、Google Cloudの知見を有するAIパートナー企業として、株式会社Recursiveと新たに連携する。

 Recursiveは、配送の最適化や自然環境の予測など、多様な分野や難易度の課題に対し、セミオーダー型および完全カスタマイズ型のAIソリューションを開発・提供している。最先端のAI研究と高度な技術力を基盤に、個別の業務とニーズに深く踏み込んだソリューションを構築する。

 Google Cloudにおける取り組みでは、リファレンスアーキテクチャの整備として、企業が効率的かつ安全・安心にAIシステムを開発・運用するための標準化された枠組みをGoogle Cloudで整備し、サービス提供能力を強化する。

 また、Vertex AIおよびGemini Enterpriseを活用して、業種・業務に特化したAIエージェントを開発し、企業のAI活用を支援する。まずは、産業領域では旅行者支援AIエージェントなど、金融領域ではAIマーケティングエージェントなどの開発から着手し、順次追加を予定する。

 さらに、NRI社内でGemini、NotebookLM、Gemini Enterpriseなどの生成AIの利用を拡大し、業務における実践的な活用ノウハウを獲得するとともに、顧客企業への導入体制を強化する。

 NRIではこの取り組みにおいて、今後3年間でAI共創モデルを通じて100件のプロジェクトを創出することと、推進に必要な500人のAI技術者をNRIグループ内で育成し、実践投入することを目標としている。