ニュース

NRI、企業の生成AI本格導入支援に向けAWSと生成AI分野で戦略的協業契約を締結

 株式会社野村総合研究所(以下、NRI)は16日、企業の生成AI本格導入を支援するため、Amazon Web Services(AWS)と生成AI分野における戦略的協業契約を6月に締結したと発表した。同契約により、今後2年間で日本国内の企業を中心に100社超のAI活用とビジネス変革の実現を目指す。

 NRIは、多くの企業ではAIの導入が依然として試行段階にあり、現状では一部業務への適用が中心となっていると指摘する。AIを本格的に導入するためには、AIに関する専門知識やセキュリティ、ガバナンス、具体的なビジネス適用など、さまざまな課題が存在するという。

 これらの課題解決に向け、これまでもNRIとAWSは連携を進めていたが、AIの技術が日々進化する中、機動的かつ効果的に企業の課題解決を図るため、契約の締結に至ったとしている。

 NRIは、業務に対する深い理解と業務改革を支援するコンサルティング力、既存システムへの豊富な知識、高度なAIの実装力を生かしてこれらの課題を解決し、AIの全社的な活用を可能にする。さらに、AIエージェント技術の活用が進む中、AWSの革新的な生成AIサービスとNRIの豊富なソリューション開発実績、業界知見を組み合わせることで、フロント領域から基幹業務まで業務プロセス全体へのAI導入をともに支援する。これにより、企業の競争力強化と新しい価値創造を推進する。

NRIが考える企業のAI活用のプロセス

 NRIは、AWSパートナーネットワーク(APN)の生成AIコンピテンシーを日本国内で初めて取得し、エンタープライズ領域で重要なセキュリティコンピテンシーやMSSP(マネージドセキュリティサービスプロバイダー)コンピテンシーを含む8個のコンピテンシーを取得している。これらの専門性を生かし、顧客の支援を「AI導入支援」「AI人材育成」「情報発信」の3つの観点で強化する。

 AI導入支援の強化では、AIを用いた変革コンサルティング、特化型AIエージェント、業界・タスク特化型LLMの拡大、AIセキュリティソリューションなど、エンタープライズで必要なソリューションの開発・展開を推進する。

 AI人材育成の強化では、AIに関するAWS認定資格保持者数を拡充する。情報発信の強化では、導入事例発信、ソリューション発信をはじめ、業界向けのお客さまセミナー開催などを強化する。

 また、8月に発表した企業の生成AI活用を包括的に支援する「AI共創モデル」に参画する大手クラウドベンダーにAWSを追加するとともに、AWSの特徴を生かせるAIパートナーとして、燈株式会社、カラクリ株式会社の2社を追加する。

 NRIは、今回の契約とAI共創モデルの拡充により、さまざまな業界における生成AIの活用を加速させ、企業の競争力強化に貢献していくと説明。また、エンタープライズの多様なニーズを捉え、コンサルティングからシステム開発、保守運用までをシームレスに提供する体制をさらに充実させるとしている。