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NTTドコモビジネスとNTT Com Asia、IOWNを活用した金融機関向けサービス「APN InterLink」を香港で提供

 NTTドコモビジネス株式会社(旧:NTTコミュニケーションズ株式会社)と、NTTドコモビジネスの香港法人NTT Com Asiaは、IOWN構想を支えるAPN技術を活用した金融機関向けの新サービス「APN InterLink」を、11月1日に香港で提供開始すると発表した。

 NTTドコモビジネスでは、昨今の金融市場においては、デジタル化の進展により取引の高速化・高度化が一層加速しており、特に超高頻度取引(HFT)をはじめとしたアルゴリズム取引は市場におけるプレゼンスを年々高めており、通信遅延がわずかミリ秒単位であっても取引機会の損失に直結する状況となっていると説明する。

 こうした中で、超低遅延ネットワークの整備は、金融機関にとって競争力強化の重要な鍵となっており、APN InterLinkの提供により、金融機関はデジタル変革を一層加速させるとともに、AIを活用したイノベーションの創出など、新たな価値創造に取り組むための基盤を強化できるとしている。

 また、金融業界をはじめとするミッションクリティカルな業務では、激甚災害への備えとして事業継続を支えるディザスタリカバリシステムの整備が不可欠となるため、災害時のリスク低減には拠点を地理的に分散させる必要があるが、IOWN APNを活用することで遠隔地間での効率的かつシームレスなデータ伝送が可能となり、大規模災害対策における信頼性と運用効率が大幅に向上するとしている。

 APN InterLinkは、IOWN APNを活用した接続サービスとして、NTT Com Asiaのデータセンター間をAPNで接続する「APN DCLink」と、任意の拠点間をAPNで接続する「APN DedicatedLink」を提供する。

 APN DCLinkは、NTT Com AsiaのフィナンシャルデータセンターとTai PoデータセンターをAPNで接続することで、超低遅延ネットワークを提供する。フィナンシャルデータセンターは香港証券取引所(HKEX)に近接しており、遅延の影響を受けやすい金融取引やリアルタイムのトランザクション処理など、ミッションクリティカルな金融取引において最適なパフォーマンスを実現する。

 APN DedicatedLinkは、データセンター間のAPN接続に加え、香港域内で任意の顧客拠点間をAPNで接続する。任意の顧客拠点から香港証券取引所(HKEX)へ超低遅延での接続を希望する場合は、顧客拠点とNTT Com AsiaのフィナンシャルデータセンターまたはTai Poデータセンター間をAPNで接続することもできる。

 日本と香港間の低遅延接続のニーズに応えるため、NTTドコモビジネスは日本国内で「docomo business APN Plus powered by IOWN(以下、docomo business APN Plus)」を提供し、NTT Com Asiaは香港域内でAPN InterLinkを提供する。

 さらに、東京・香港を結ぶアジア域内海底ケーブル「Asia Submarine-cable Express(ASE)」上でAPNの展開を推進し、これにより、主要金融センター間のシームレスな連携が可能となり、金融業界のデジタル化加速に貢献するとしている。