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ソニー銀行と富士通、AIドリブンなシステム設計開発を目指し、勘定系システムの機能開発に生成AIを適用

 ソニー銀行株式会社と富士通株式会社は6日、富士通の勘定系ソリューション「Fujitsu Core Banking xBank(クロスバンク)」(以下、xBank)を採用したソニー銀行の新勘定系システムにおいて、機能開発への生成AI適用を9月から開始したと発表した。2026年4月までに、すべての勘定系システムの機能開発に生成AIを適用していく予定という。

 「xBank」は、クラウド上で動くことを前提に設計・構築された勘定系ソリューション。スケーラビリティ、マイクロサービス、BFF(Backend for Frontend)などのクラウドの特性を最大限に活用でき、ビジネス環境の変化に応じて最適なシステムリソースの活用を実現するという。また、デジタル型の銀行サービスを提供する企業に最適化されており、ネット専業銀行や、新規参入もしくはサブブランドでデジタル型の新銀行を設立する企業などを主な導入企業として想定しているとのこと。

 ソニー銀行は5月から、この「xBank」の活用によるクラウドネイティブな勘定系システムを導入し、すべてのシステムのクラウドシフトを実現。バンキングシステム・業務全体における柔軟性・拡張性を飛躍的に向上させている。今回は、これらのクラウドネイティブな環境を最大限に活用し、生成AIを中核に据えたAIドリブンな開発エコシステムの構築に向けた第一歩として、生成AIの適用を開始した。

 両社はまず、開発・テスト領域で富士通の独自技術であるナレッジグラフ拡張RAGを活用し、AI適用水準の向上を図る。ナレッジグラフ拡張RAGは、保有する大規模データの関係性をナレッジグラフでひも付け、生成AIへの入力データを高度化するもので、これらを繰り返して知見を蓄積することで、生成AIの精度向上を図る考えだ。

 将来的には、管理・要件定義・運用保守を含む全システム開発工程における一貫した生成AIによるシステム開発の実現や開発期間の20%短縮に加え、すべてのプロセスをAmazon Web Services(AWS)のクラウド環境上で完結することにより、高度なスケーラビリティとセキュリティを実現し、開発効率を向上させるとしている。

 ソニー銀行では、「xBank」のメリットを最大限に生かし、AWSとの連携により、継続的な品質向上と迅速な開発サイクルを実現する開発エコシステムの構築を目指すとのこと。