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マクニカ、AI導入・検証サポートプログラム「AI TRY NOW PROGRAM」に「NVIDIA DGX B200」システムを追加

 株式会社マクニカ クラビス カンパニーは3日、NVIDIA開発環境上で最新AIソリューションを導入検討する際に利用できるサポートプログラム「AI TRY NOW PROGRAM」に、「NVIDIA DGX B200」システムを追加し、生成AIソリューションの最前線を担うAIエージェントや、現実の(物理的な)世界を認識・理解して複雑な行動ができるPhysical AIの事前検証環境を提供開始すると発表した。

 AI TRY NOW PROGRAMは、マクニカがNVIDIAの正規代理店として、インフラの提供に加え、NVIDIAのアクセラレーテッドコンピューティング上で運用される最新AIソリューションの導入検討時に利用できるサポートプログラム。マクニカのエンジニアが課題解決に最適なAI技術をあらかじめ厳選し、環境を構築しているため、顧客が環境を用意する必要はなく、最新のAIソリューションの理解を深め、本番環境に近いパフォーマンスおよび機能のKPI測定ができる。

 マクニカでは、生成AI技術の進化により、AIエージェントやPhysical AIの開発が急速に進展しており、これらの分野では高性能なコンピューティング能力が不可欠となり、最新のNVIDIA BlackwellアーキテクチャのGPUに対する期待が高まっていると説明する。特に、BlackwellアーキテクチャのGPUがFP4(4ビット浮動小数点数)に対応していることから、省メモリを実現した効率的な学習および推論環境を提供できる点に注目が集まっているという。こうした技術革新を取り入れたい企業が増えている一方で、予算承認のために必要な製品知識や導入効果などの情報が不十分という課題が、企業の迅速なAI導入を妨げている状況が続いているという。

 こうした課題を持つ企業に向けて、マクニカはAI TRY NOW PROGRAMにNVIDIA DGX B200システムを追加することで、企業がNVIDIA NeMo、NVIDIA NIMマイクロサービス、NVIDIA Cosmosなどの最新技術を利用して、AIエージェントやPhysical AIの実証検証を加速させる環境を提供する。

 AI TRY NOW PROGRAMで提供している環境におけるユースケースとして、NVIDIA NeMo Agent ToolkitやNIMを活用したAIエージェントも試用できる。NVIDIA DGX B200でNeMo Agent ToolkitやNIMなどを用いてAIエージェントを立ち上げ、APIによりプロンプトを送ることでAIエージェントからレポートを受け取るといった、一連の検証を実施できる。

RAGとWeb Searchを組み込んだAIエージェントの検証構成

 NeMo Agent Toolkitは、使用するLLM、Function(ツール)、WorkflowをYAMLファイルで定義するコンフィグに組み込むことで、簡単にAIエージェントを実装できるライブラリ。実装だけでなく、計画から保守メンテナンスまでのAIエージェントのライフサイクル全体をカバーできる。

検証結果をもとに実装した想定の業務効率化AIエージェント

 また、Physical AI向けの検証も、AI TRY NOW PROGRAMで試せる。実際にPhysical AIを検討する際に、NVIDIA Cosmosで生成した合成データ(動画データ)でモデルの学習を実施し、NVIDIA Omniverse環境上でシミュレーションするといったパイプラインを検証するようなユースケースにも対応できる。

Physical AI向けのNVIDIA Cosmos、Omniverseの検証

 マクニカでは、NVIDIAのAIモデル「Cosmos-Transfer1」を用いて、動画データやセグメンテーションデータにプロンプトによる指示を加えることで、Physical AIのモデル学習向け合成データを生成する検証を実施した。

Cosmos-Transfer1による合成データ生成

 マクニカは、NVIDIAプロダクトの一次代理店として、新たなAIテクノロジーの開発と実装支援を続けることで、日本の生成AI技術をさらに進化させ、より多くの課題解決に貢献していくとしている。