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キンドリル、AIの本格導入に向け企業のPoCなどを支援する新サービスを提供
「キンドリルAIプライベートクラウドサービス」の第1弾
2025年9月3日 09:00
キンドリルジャパン株式会社(以下、キンドリル)は2日、「キンドリルAIプライベートクラウドサービス」の提供を開始したと発表した。第1弾としては、AIの本格導入に向けた概念実証(PoC)をKyndryl Consultが支援する「プライベート AI 基盤PoC 支援サービス」を提供開始する。
「プライベート AI 基盤PoC 支援サービス」は、国内企業が本格的にAIを導入するために行う、PoCなどの活動を支援するもの。Dell AI Factory with NVIDIA上で稼働する日本国内のAIプライベートクラウド環境を利用し、PoCやLLMのチューニング(大規模言語モデルの再調整)を支援するという。
シングルテナントのオンプレミス環境とKyndryl Consultの専門知識を組み合わせ、組織がデータ主権、セキュリティ、プライバシーを維持しながらAI戦略を実行できるよう支援する点が特徴で、標準的なパブリッククラウド環境では検証できないような機密性の高い研究開発や顧客データに対して、安全かつ低遅延で活用できる環境を提供する。また、より高度な予測や推論を行い、業界固有の要件や企業戦略に応じたモデルを構築することも可能とした。
具体的なサービス形態としては3通りを用意した。
1)ベーシックは、キンドリルがAIプライベートクラウドのGPUハードウェア環境と関連ソフトウェアへのアクセスを提供し、OSやコンテナの導入は利用企業が実施する形態。2)のスタンダードは、ベーシックの提供範囲に加え、OSおよびコンテナの導入もキンドリルが実施する。また3)プレミアムでは、AI導入が初めての組織向けに、キンドリルがPoCの企画から実行までを包括的にサポートするとのこと。
なおサービス開始に先立ち、キンドリルは製造業および自動車業界の企業向けに、同プラットフォーム上でのPoCを完了した。このPoCでは、製品に対するユーザーフィードバックを基に、顧客感情を分析する生成AIアプリケーションの開発・テスト・検証を実施。アプリケーションにはNVIDIA Llama 3.1 8B-Instruct NIMが活用され、最適化されたスループットとスケーラブルな生成AIによる推論処理を実現したとしている。
またキンドリルは今後、「キンドリルAIプライベートクラウドサービス」の拡張を予定しており、2026年3月の本格展開を目指し、AIアプリケーションの本格導入に向けた開発支援、エージェンティックAIソリューションの活用、顧客ごとのニーズに応じたプライベートAIプラットフォームの構築と運用のサービスを順次提供する考えである。