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SCSK、同社データセンターに「IBM z17」を導入し、メインフレームホスティングサービスを提供

 SCSK株式会社は27日、同社データセンターに日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)の最新メインフレーム「IBM z17」を導入し、2025年12月に「MF+(メインフレームプラス)ホスティングサービス(IBM z17)」を提供すると発表した。

 金融、公共、製造業などで社会の根幹を支える多くの基幹システムは、極めて高い信頼性や安定性を有するメインフレーム上で長年稼働している。その中には独自の業務ロジックが複雑に組み込まれたレガシーシステムが存在し、事業継続のために稼働を維持しつつも、全面的に刷新するには莫大なコストとリスクを伴うため、変革が困難であるという構造的な課題を抱えている。また、DX推進やAI活用の流れを受け、メインフレーム上の資産活用やセキュリティ強化といった新たな要請も高まっているという。

 SCSKと日本IBMは、オンプレミスとクラウド利用を組み合わせたハイブリッドクラウドプラットフォームの提供を目指して、2024年11月に戦略的パートナーシップを締結し、こうした課題の解決に取り組んでいる。

 このパートナーシップに基づき、SCSKは「MF+」のサービスラインアップ拡充を推進しています。その第一弾として自社データセンター内に導入した「IBM z16」活用サービスは、既に顧客から多くの問い合わせや相談を受けています。この実績を踏まえ、顧客のさらなるニーズに対応するため、新たに最新メインフレームのIBM z17を導入し、サービスを提供する。

 MF+ホスティングサービス(IBM z17)は、IBMメインフレームのシステム資源を共同利用型で提供するマネージドインフラストラクチャーサービス。SCSKの運用・保守ノウハウを活用し、顧客のインフラ管理負担を軽減しつつ、安全・柔軟・効率的なIT基盤を提供する。

 さらに、AI時代に向けて設計されたIBM z17により、高度なAIをハイブリッドクラウドに統合し、重要なデータが格納されている顧客の基幹システムにおいて、パフォーマンス、データセキュリティ、意思決定を最適化できるとしている。

 また、人材・スキルギャップの解消と開発の迅速化にも貢献すると説明する。IBM z/OSは進化により、メインフレームの開発・運用は他のプラットフォームと同じツールやプロセスを使用できるようになっており、コード開発と運用を支援するAI機能を提供している。これらの進化により、メインフレームとその他プラットフォーム間の人材、スキルギャップの解消や、一貫性のあるDevOpsエクスペリエンスとクラウドネイティブな開発手法の導入によるアプリケーションのリリース頻度の向上、メインフレーム上のデータへの容易なアクセスによる基幹業務データの価値の最大化などが可能になり、ビジネスのさらなる加速を実現できるとしている。

 SCSKと日本IBMは、IBMが提唱する「Hybrid by Design」という考え方に基づき、今後もさらなるプラットフォーム拡充を推進するとしている。その一環としてSCSKでは、企業のクラウドネイティブ化やアジャイル開発などを推進するサービス「NebulaShift」とMF+のサービス連携強化を開始した。メインフレーム資産をクラウドネイティブなアーキテクチャに適合させることで、既存システムと最新技術の融合を実現する。これにより、顧客はメインフレームの安定性を維持しつつ、クラウドネイティブなアーキテクチャへの段階的なメインフレームトランスフォーメーションが可能となり、将来を見据えたIT基盤の最適化を図れるとしている。