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Jeff Bezos氏がAIスタートアップで現場復帰 「フィジカルAI」がやってくる?
2025年11月25日 11:20
Amazon創業者で大富豪のJeff Bezos氏が、AIスタートアップ「Project Prometheus」の共同CEOに就任することが明らかになった。62億ドルという巨額の資金を調達済みで、Bezos氏にとっても2021年7月にAmazonのCEOを退任して以来の現場復帰となる。新会社は「製造業や宇宙産業に特化したAI」を開発するというが、その目指すものは――。
Project Prometheus
Project Prometheusの立ち上げは、11月17日付のThe New York Timesが報じた。Bezos氏はAmazon退任以降は経営トップを務めておらず、宇宙企業Blue Originでの肩書きは「創業者」に留まる。CEO職に就くのは約4年ぶりとなる。
Bezos氏とともに共同CEOを務めるVik Bajaj氏は、元Google Xに在籍していた人物で、New York Timesによると「Google共同創業者のSergey Brin氏と緊密に協力してきた物理学者・化学者」だ。Google Xで生命科学研究所Verily(現Alphabet傘下)を共同創業した後、2018年にAIと生命科学に特化したインキュベーターForesite LabsのCEOを務めていた。LinkedInのプロフィールによると、2025年11月からProject Prometheusに専念しているようだ。
では、Project Prometheusとはどんな企業なのか。実は、情報はあまり出ていない。New York Timesによると、極秘裏に準備され、設立日さえも明らかになっていない。LinkedInの企業ページには黒塗りのロゴがあり、「フィジカル経済向けのAI」とだけある。
従業員数は「51〜200人」で、当初からある程度の規模であることがうかがえる。その中には、OpenAI、DeepMind、Metaなどから引き抜かれた研究者も含まれているという。
Project Prometheusの実態には謎が多いものの、資金は62億ドルと潤沢だ。「世界で最も資金力のあるアーリーステージスタートアップの一つ」(New York Times)であり、その一部はBezos氏自身が出資している。