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NECと大塚商会、オンプレミスで利用できる生成AI環境「美琴 powered by cotomi」を提供

 日本電気株式会社(以下、NEC)と株式会社大塚商会は28日、オンプレミス環境での生成AI利用を実現する「Generative AI Serverセット」を共同で商品化したと発表した。大塚商会は、同セットをソフトウェアやサービスと組み合わせ、「美琴 powered by cotomi」として2025年4月から提供する。これにより、社内のセキュアな環境で、機微な情報を含むオフィス文書の高度な利活用が可能となり、文書の作成や要約、社内情報検索やナレッジ管理といった共通業務の生産性と効率の向上が期待できるとしている。

 NECと大塚商会は、2023年から生成AI領域において協業しており、今回の取り組みはその一環となる。

「美琴 powered by cotomi」のGenerative AI Serverセット

 両社は、さまざまな企業や団体が生成AIを活用して業務の効率化や生産性の向上を目指す中、社内外の機微な情報を活用する際には情報漏えいや脆弱性への対策が求められており、セキュアな環境での生成AI活用の需要が高まっていると説明。同時に、導入時や運用中のコストを抑えつつ、変化するニーズに迅速に対応できる柔軟なシステムが求められているという。

 そこでNECと大塚商会は、セキュアで安全・安心な生成AIサービスの活用に向けて協議を重ね、NEC開発の生成AI「cotomi」を搭載した、Generative AI Serverセットを共同で商品化した。同セットでは、設置が容易なタワー型筐体を採用し、高い日本語性能を備えたNEC開発の生成AI「cotomi」を、外部ネットワークとの接続がないセキュアな環境で利用できる。

 同セットをソフトウェアやサービスと組み合わせた「美琴 powered by cotomi」は、導入時や運用中のコストを抑えるとともに、サポート体制を整えており、これにより、より幅広い顧客による生成AIの活用を推進し、企業全体の業務変革に貢献するとしている。

 大塚商会は、社内で培ったAI利活用のノウハウを多くの顧客に提供しており、「美琴 powered by cotomi」でも、専門用語やガイドライン、知見などの業界・業種データにも対応する、業種特化型の生成AIサービスの提供を予定していると説明。顧客業務に寄り添った解決方法の提案、環境構築前後に発生する、運用に関するご相談、継続的な活用の支援を通じて、大手企業だけでなく、中堅・中小企業の顧客による生成AIの活用を推進し、企業全体の業務改革に貢献するとしている。

 NECは、顧客を未来へ導く価値創造モデル「BluStellar」の下、2023年7月から生成AIサービスを展開している。その中核となる「cotomi」は、高い日本語性能と業務システム連携にも適した高速性を両立することで、業種や業務に合わせた高度な応答を実現するとしている。

 「美琴 powered by cotomi」の提供開始日は4月23日。販売目標は300社。

 両社は、生成AI技術を実際のビジネスの現場で活用するために、業務知見と技術力を融合させ、より実用的な生成AIソリューションを商品化して、市場への提供を進めていくと説明。今後も顧客に新たな価値を創造するとともに、企業や社会のDX推進を通じて日本の成長に貢献していくとしている。

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