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エクサウィザーズ、業務データ連携した生成AIの回答品質を継続的に改善できる「RAGエージェント」を提供
2025年6月5日 06:30
株式会社エクサウィザーズは4日、業務データに関する回答品質をAIエージェントで継続的に改善できる「RAGエージェント」を提供すると発表した。
エクサウィザーズは、顧客の独自データを活用したRAGサービスの構築・運用に活用できる、「RAGOpsのテンプレート」を、2024年6月からAIアプリ開発環境「exaBase Studio」上で提供している。
さらに、2025年4月には、exaBase StudioのAIエージェントへの対応を発表しており、さまざまな業務でAIエージェントに対応できるテンプレート群の提供を開始している。
新たに提供するRAGエージェントは、大量の社内文書を適切に処理して読み込んだり、運用中の精度検証を自動化したりすることで、高精度なRAGのサービスを迅速に構築し、容易に運用できるようになる。
RAGを活用した高精度な情報取得ができるようになることで、マルチエージェントの協調動作において、必要な情報を必要な時に取得して活用できるようになる。従来のFAQなどへの対応やレポーティング業務から、社内情報や各サービスの利用情報の取得と整理まで、RAGエージェントは「確認→判断→実行」のプロセスにおける、自律的な情報の取得と提示を担う。RAGを育てつつ、業務の生産性と品質を向上させる。
RAGエージェントは、現場の人間が行うような確認・判断のプロセスを忠実に再現しつつ、他のAIツールと協調しながらタスクを完全に自動化する。取得した情報の信頼度評価、追加リサーチの判断、関連情報の選択まで自律的に行う。
回答生成に利用した文字列(チャンク)だけでは情報が不十分と判断した場合、エージェントが自動で元の文書全体を読み直し、文脈を再確認してから回答を確定する。データのコンプライアンスを順守しつつ、情報への回答精度の維持・向上を同時に担保する。
RAGエージェントは、回答に必要な情報が不足している場合や、既存のデータだけでは判断が難しい状況において、外部ソースや社内ドキュメントを横断的に検索し、必要な情報を自律的に収集する。
RAGOpsでは、ユーザーの満足度をフィードバックとして蓄積し、高評価の回答はキャッシュとして活用する一方、評価が低い場合にはオペレーターの介在による改善を促す。その際、どの担当者に対応を割り振るかについても、RAGエージェントが自律的に判断する。
また、RAGにおいて回答精度を高めるためには、企業内の複数の文書をそれぞれ適切なフォーマットに変換するなど調整した上で、生成AIに認識させる必要がある。RAGエージェントでは、こうした多大な手間と時間がかかるタスクを支援する。
読み込ませる文書の構造や内容に応じて、最適なチャンク設計を支援する各種オプションをノーコードで利用できる。ユーザーはそれらを活用することで、文書ごとに最適化された高度なカスタムチャンクを直感的に生成できる。
RAGエージェントは、検索精度と回答生成精度の両面からRAGの品質評価を自動で行う。これにより、運用の手間を最小限に抑えつつ、継続的な精度向上が可能になる。RAGの適用範囲が拡大し、管理対象の文書が1000件を超えるケースでも、精度検証の自動化によって多数のRAGシステムを効率的に運用することが可能になっていく。
さらに、業界で標準的なAIエージェントツールを呼び出して、タスクの分割・実行・進捗報告までを自律的にコーディネートし、人手を介さずに業務フローの全体を最適化するサービスを構築できる。具体的には、米Anthropicが公開した、AIモデルと外部システムのやりとりを標準化するオープンプロトコル「MCP」で実装したAIエージェントツールに対応する。
RAGエージェントは、AIエージェント開発・運用プラットフォーム「exaBase Studio」上で、6月中旬から随時各機能の提供を開始する。