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エクサウィザーズ、AIアプリ開発環境「exaBase Studio」のテンプレートがAWSの生成AIサービスに対応

 株式会社エクサウィザーズは14日、AIアプリケーション開発環境「exaBase Studio」のアプリケーションテンプレート「RAGOps」が、Amazon Web Services(AWS)の生成AIアプリケーション構築サービス「Amazon Bedrock」に対応したと発表した。これにより、顧客がAmazon Bedrockで最適なモデルを選択し、業務データをセキュアに連携した生成AI応用が素早く開発・利用できることが期待されるとしている。

 エクサウィザーズでは、生成AIの活用が本格化する中、顧客独自のデータを生成AIで加工・分析できるようにするRAG(Retrieval Augmented Generation)への注目が高まっていると説明。一方では、「期待した結果が得られない」「ハルシネーションにより誤った回答が広がるのが心配」などの課題も出てきているという。

 これを受けてエクサウィザーズでは、exaBase Studio上でRAGによる回答品質を継続的に改善できるRAGOpsのアプリケーションテンプレートを設計した。exaBase Studioは、デリバリーの知見を集約したアプリケーションテンプレートを整備・提供しており、RAGOpsもその1つとなる。これらを活用することで、データ管理やAI、ソフトウェア処理などの追加や組み替えが可能となり、プロトタイプを動かしながらAIアプリケーションを開発できる。

 エクサウィザーズはAWSの支援を得て、AWSの環境上で動作するexaBase Studioを通じて、Amazon Bedrockを直接呼びだす設計を行った。これにより、AWSのユーザーがexaBase Studio上で扱っている業務データを、より安全に生成AIと送受信できるようになる。

 Amazon Bedrockは、AI21 Labs、Anthropic、Cohere、Meta、Stability AI、Amazonなどが提供する、生成AI基盤モデルをAPI経由で利用できるサービスを提供する。テキストだけでなく、画像などのマルチモーダルなデータ種に対応している。Amazon Bedrockへの対応により、効果の高い基盤モデルの柔軟な選択が可能となり、RAGOpsの精度を向上させられる。

 RAGOps は、プラットフォームとなるexaBase StudioとAmazon Bedrock間のデータ通信を閉域にすることでセキュアに利用できる。Amazon Bedrockはデータと生成AIアプリケーションをセキュアかつ非公開に保護する機能を持っており、データは転送時と保管時のいずれでも暗号化される。AWS PrivateLinkを使用することで、インターネットにトラフィックをさらすことなくプライベートな接続を確立できる。

 また、Amazon BedrockはISO、SOC、CSA STARレベル2などの一般的なコンプライアンス基準、米国の医療ITのセキュリティやプライバシー基準「HIPAA」の対象で、EUの一般データ保護規則(GDPR)に準拠している。

 RAGOpsは5月から、exaBase Studioのアプリケーションテンプレートとして提供を始めている。Amazon Bedrockによる各種の生成AI基盤モデルとの接続機能も利用可能な状態となっており、exaBase Studioのライセンス顧客へのテンプレート機能を通じた提供およびエクサウィザーズのプロフェッショナルサービスを通じて提供する。利用料金などの詳細は要問い合わせ。