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NECと米HP、SDN対応機器の相互接続性などを検証へ

 日本電気株式会社(以下、NEC)と米Hewlett Packard(以下、HP)は4日、企業向けネットワークのSDN(Software Defined Network)領域に協業を拡大すると発表した。

 今回の提携の目的は、1)企業向けのSDN領域におけるオープンなエコシステムの確立、2)SDN対応ネットワーク機器の相互接続性強化、の大きく2つ。

 1)では、SDNコントローラをアプリケーションから制御するノースバウンドAPIの標準化を推進し、両社とさまざまなISV(独立系アプリケーションベンダー)とでオープンなエコシステムの構築を目指すという。そのために、両社が開設するアプリケーションのマーケットプレイスを相互にリンクさせるほか、ユースケースの発掘、SDNアプリケーション製品の連携などを行っていくとのこと。

 2)では、SDN両社のSDNコントローラとSDN(OpenFlow)対応スイッチでの互換性を検証するほか、NECのネットワーク仮想化技術である「Virtual Tenant Network(VTN)」とHPのSDNコントローラとの接続性も検証する。

 HPは既存スイッチ製品のOpenFlow対応を進めており、現在は多くの機種でOpenFlowをサポートしている。またNECは、SDN/OpenFlowに対応した「UNIVERGE PF6800」製品群で多くの導入実績を持つ。こうしたことを踏まえて、PF6800のコントローラから、HPのスイッチ50機種を制御できるようにするため、評価機器を相互に持ち、相互接続検証ラボを両社に構築するなどの取り組みを進めるという。

 一方のVTNは、物理的なネットワークを共有した上で、ソフトによって設定する論理的なネットワークを構成できるようにする仮想テナントネットワーク技術。このVTNにおいて、HPのSDNコントローラを利用できるようにすることで、より柔軟なネットワーク構成が実現するとのこと。

 企業がSDNを実現しようとする場合、一気に機器の入れ替えを行うのは現実的とはいえず、機器の更改時に、将来的なSDNにも対応できる製品へ入れ替えるといった、段階的な移行が進むとみられている。両社ではSDN対応製品の相互接続を可能にすることで、機器導入時の顧客の選択肢を増やしていく考えだ。

石井 一志