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IBM、IBM Cloud上で「インテルGaudi 3 AIアクセラレーター」を提供
2025年4月16日 14:05
米IBMは現地時間3月31日、ラスベガスで開催された「Intel Vision 2025」において、「インテルGaudi 3 AIアクセラレーター」がIBM Cloud上で利用可能になったと発表した。これにより、パブリッククラウドの本番環境のワークロード向けにインテルGaudi 3を利用できるようになる。
IBMは、今回のインテルとの協業を通じて、企業がIBM Cloud上でエンタープライズAIをよりコスト効率よく導入および拡張できるよう支援すると説明。現在、インテルGaudi AIアクセラレーターは、IBM Cloudのフランクフルト(eu-de)およびワシントンD.C.(us-east)リージョンで利用可能で、2025年第2四半期にはダラス(us-south)リージョンでも提供開始する予定。
IBM Cloudとインテルは、顧客が必要に応じてコンピューティングリソースを柔軟に調整できるよう、スケーラブルかつ柔軟なソリューションを共同で提供してきたと説明。IBM Cloud上で利用可能なインテルGaudi 3も同様に高い柔軟性を備えており、さまざまな導入および展開方法を通じて、多様なニーズに対応するとしている。
インテルGaudi 3は、IBM Cloud Virtual Server for VPCのクラウドインスタンスを通じてデプロイ可能。IBM Cloud VPC環境において、Intel Gaudi 3を活用したスタンドアロンサーバーの提供を開始した。
IBM Cloud VPCは、高い堅牢性とセキュリティを備えており、パブリッククラウドの利点を損なうことなく、隔離されたプライベートクラウドを構築できると説明。インテルGaudi 3インスタンスは、Red Hat Enterprise Linux AIのイメージオプションにも対応しており、特定の目的や用途に向けて設計・最適化されたソフトウェアスタックを利用する顧客や、基盤となるサーバーの制御を強化したい顧客に最適だとしている。
マネージド型のコンテナ基盤を活用したい顧客向けには、2025年第2四半期に、インテルGaudi 3をRed Hat OpenShift AIクラスターおよびRed Hat OpenShift on IBM Cloudのワーカーノードとして提供開始を予定する。
インフラからワークロードまで、AIスタック全体に対してより高い管理性を求める顧客は、IBM Cloud VPC上で稼働するインテルGaudi 3ベースの仮想サーバーに、IBM watsonx.aiソフトウェアを導入できる(2025年第2四半期予定)。IBM watsonx.aiは、AI開発に必要なツールキットとAIライフサイクル全体を管理できる機能を備えた、統合型のエンドツーエンドのAI開発スタジオで、開発したAIサービスは、さまざまなアプリケーションへ柔軟に展開できる。
また、IBM Cloudでは、新機能やシステムアップデートを迅速に展開したい開発チームや運用チーム向けに、「デプロイ可能なアーキテクチャー(DA)」と呼ばれる設計モジュールを提供している。これによりIBM Cloudユーザーは、複数のDAを通じてインテルGaudi 3の機能を迅速に活用できるようになる。これらの機能には、watsonxソフトウェア用のDA、IBM Cloud Virtual Server for VPC用のDA、Red Hat OpenShift on IBM Cloud用のDAが含まれる。DAは2025年下半期に提供開始予定。